多くのFX取引をしている人は、米ドル・円を基本
にされていると思います。
取引が多い分、スプレッドやスワップ金利は、有利な設定になっていて、基幹通貨であることには変わりありま
せん。
しかし、現在の金融市場は、米ドルの通貨不安によって、世界中の金融が大きく影響を受けています。
2007年8月17日の事件もそうで、米ドルに対しての一方的な運用だけでは、為替リスクを一手に受けて
しまいます。
そこで、別の通貨を加えることで、為替リスクのヘッジが出来ないか?と考えました。
次のチャートは、2007年9月7日に、アメリカの雇用統計の発表で、雇用者数が減っていると言う数字が
発表になったあとの各通貨の動きです。




上記の通貨は、米ドルの動きに、ほぼ同じ状態で連動して動いています。
即ち、これらの通貨に対しては、一斉に円高となってるわけです。ということは、これらの通貨では、リスクヘッジ
は出来ないということです。
しかし、ヨーロッパの中でも強い通貨と言われているスイスフランを見てみましょう。

確かに、米ドルと同じような動きをしていますが、円高の速度が緩やかです。
通貨 |
当初レート |
円高後レート |
差異 |
% |
米ドル |
115.2円 |
112.6円 |
▲2.6円 |
▲2.3% |
ユーロ |
157.8円 |
155.2円 |
▲2.6円 |
▲1.6% |
豪ドル |
95.2円 |
92.7円 |
▲2.5円 |
▲2.6% |
南アフリカランド |
16.0円 |
15.5円 |
▲0.5円 |
▲3.1% |
スイスフラン |
96.0円 |
94.9円 |
▲1.1円 |
▲1.1% |
各通貨の下落率を見ても明らかです。
しかし、スイスフランのスワップ金利は、買い+55円程度と、米ドルの+163円や、豪ドルの+143円等に
比較すると、半分以下ですから、スワップ金利派としては、辛いものがあります。
かつては、世界で強い通貨ということでは、日本円、スイスフラン、ドイツマルクでした。
スイスフランは、日本円と同調して動くことが多かったので、米ドルだけにリスクを預けるのは、ブッシュに
明暗を預けるのと同じでとても危険です。
そういった意味で、スイスフランをポジションに加えることによって、為替の大きな変動に備えては?と
考えます。
尚、スイスフランをリスクヘッジ用の通貨にする際は、スイスフラン・円とユーロ・スイスフランを考えています。