「経済指標」の多くは、政府などの公的機関が作成・公表しているため、その信頼性が高いものとして、
多くの投資家が注目しているため、その結果によって為替が動くことが多いものです。
しかし、「経済指標」は、数多くありますので、どの指標に注目すれば良いのか?迷うと思います。
ここでは、外国為替市場が、最も反応する4つの指標に絞って、お話します。
★ FOMC − 金利の状況を確認する ★ (金利が上昇すれば、買われやすくなる)
FOMC(連邦公開市場委員会)とは、アメリカの中央銀行であるFRBが開催する会合のことで、アメリカの
政策金利(FFレート)を決める場所でもあります。米ドルの金利の行方を占うわけですから、世界中が注目
しています。
特に、市場の予想を超える金利が決定されると、「サプライズ」として、為替が動く原因になります。
年8回、6週間ごとの火曜日に開かれます。
★ 非農業部門雇用者数 − 景気の状況を確認する ★ (景気が良くなると、買われやすくなる)
文字通り、農業以外の雇用者数の動向です。
非農業部門雇用者数(NFP)が大きくなればなるほど、アメリカの景気が良くなっていると見なされ、米ドルが
買われる(ドル高)傾向にあります。
発表は、毎月の第1金曜日の午後9時30分(冬時間は午後10時30分)です。
この指標の発表で、為替が大きく動くことが多いので、注意が必要な指標です。
★ 生産者物価指数 − 物価の状況を確認する ★ (物価が上がると、売られやすくなる)
アメリカの生産者物価は、1982年の平均物価を100として、国内製造者の販売価格を生産者物価指数
(PPI)としています。
しかし、為替市場では、PPIそのものではなく、前月からの変化を示した「前月比」に注目します。物価が
上昇傾向にあるのか?或いは、下落傾向にあるのかを判断する為です。
生産者物価指数も、それ自体の値よりは、アナリストの予想と大きく異なる場合には、違いを修正する
方向へ為替が調整される傾向があります。
発表は、対象月の翌月第2週で、日本時間の午後9時30分(冬時間は10時30分)です。
★ 貿易収支 − 貿易の状況を確認する ★ (貿易黒字が増えると、買われやすくなる)
「貿易収支」とは、輸出された金額と輸入された金額の差額を意味します。アメリカの場合には、常に
貿易収支は、赤字です。
為替市場では、アメリカの貿易赤字の大小に注目します。
アメリカの貿易赤字が大きくなると、米ドルが売られやすい傾向があり、貿易赤字が小さくなると米ドルが
買われやすい傾向があります。
貿易収支の発表は、通常、毎月10〜15日の日本時間の午後9時30分(冬時間は10時30分)です。
★ 4つの経済指標でどう動く? ★
|
米ドル |
日本円 |
金利 |
上昇
下落 |
ドル高
ドル安 |
上昇
下落 |
円高
円安 |
景気 |
上昇
下落 |
ドル高
ドル安 |
上昇
下落 |
円高
円安 |
物価 |
上昇
下落 |
ドル安
ドル高 |
上昇
下落 |
円安
円高 |
貿易 |
赤字減少
赤字拡大 |
ドル高
ドル安 |
黒字縮小
黒字拡大 |
円安
円高 |