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エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

万暦赤絵の話(その1)

  中国は英語でチャイナ(CHINA)、即ち、陶磁器という意味であり、文字通り陶磁器の原点は中国にあります。中国では、太古の時代より各王朝ごとに特色のある陶磁器を生み出しておりますが、今回は、明朝が滅びていく前に一花咲かせた”万暦赤絵”(万暦年間は1573年〜)の話をしたいと思います。

 上述のように、中国では各王朝時代に有名な陶磁器を生み出しております。代表的なところでは、三国時代から南北朝時代の”古越磁”(青磁の初期のもの)、宋時代の”砧青磁”、元時代の”元染付”、明時代の”祥端”(しょんずい)、清時代の”古月軒”等々ありますが、元時代に発明された磁器は当初”染付”(中国では青花)といわれる、白地に藍色の模様のものから、明時代には、”五彩”と呼ばれる、赤、青、緑、黄、茶で模様を描いたものができるようになりました

 明時代の絶頂期の嘉靖年間(1522年〜)には、その”五彩”を使った色絵磁器が旺盛を極めましたが、柿が熟して落ちていく寸前のものが、万暦年間に、”万暦赤絵”として、味わいの深い磁器を後世に残しています

 その特徴は、五彩のうち、特に赤色を多く使用している為、全体的に赤く見えること、図柄が幾何学模様ではなく、絵を描いているものが多く、芸術的なセンスのあるものが多いことがあげられます。日本の磁器では、九谷焼や、柿右衛門様式が似ています。



 「大明萬暦年製」

 そこで、上の写真をみていただきたい。小生が、マレーシアのコタキナバルで買い求めた”万暦赤絵”です。
この時も偶然ふと立ち止まった骨董屋さんで、見つけたのです。決して探しているのでなく、とにかく偶然、見つけてしまうというのは、何か運命的なことも感じます。

 早速値段を見たのですが、なんと3800マレーシアドル(現地の価値換算をすると30万円相当か?)も
するでは、ありませんか! 一応値段の交渉をしてみましたが、3000ドルが限界というので、あきらめて
一旦帰国しました。その時に、相場感がなかったのと、保存状態があまりに良かったので真贋が付けられ
なかったことが理由でした。

 その後、インターネットで調べたところ、日本国内では、本物であれば40万円から50万円で取引されて
いるようでしたので
、骨董屋の付けている値段も妥当なのかなと思い始め、その絵皿が欲しくなって諦められなくなりました。しかし、その後2度ほどコタキナバルを訪れたのですが、店が開いていなかったり、時間が合わなかったりしてお目にかかれませんでした。縁がなかったのかと一時は諦めてしまいました。
  
 清朝末期に世が乱れ、多くの富裕中国人が、華僑となって東南アジアへ流れてきました。その際に、
”お宝”を持って出国した華僑の人たちによって、こういった骨董品は、シンガポール、マレーシア、インドネシアには多く存在しています。しかしながら、そういった事情で骨董品が出ている為、真贋を証明できるものはありません。自分の目と勘だけが頼りです。

 さて、私の目と勘が良かったのか、どうだったのかは、その2でお話します。

                                               (記 : 2008年4月20日)

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