旅するところ、焼き物・骨董あり!                                                                       <<<焼き物・骨董情報サイト>>>

トップへ  当サイトでは、筆者が、世界中を旅したところで集めた焼き物・骨董品を、
エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

柿右衛門の贋作について

日本の焼き物で、骨董類を除いて、一番高い評価を受けているものの1つが、柿右衛門窯の作品です。

日本を代表する焼き物でもありますし、小品でも、1万円以上はするし、定価で買えば、4,5万円以上はする
ものですから、オークションでも、贋作(偽物)が出回っているようです。

柿右衛門窯の公式サイトを見ても、注意を喚起しています。(「柿右衛門窯HP」参照)

最近では、かなりきわどい贋作が出ていますので、特に、オークションなどで、写真から判断する場合には、
注意が必要です。

柿右衛門窯の作品は、特徴的ですので、真作は、画像からでも、一見して判るものですが、精巧なものは、ローレックスでも、真贋が見分けられないことがあるように、注意が必要ですが、最後は、やはり、陶印と
共箱が決め手
になるようです。

まず、真作を見てもらいましょう。



この作品は、陶印や、共箱を見ないでも、真作と判るものです。洗練された形、自信に満ちた筆使い、濁し手
の微妙な白地・・・・作品が、「どうだ」と語りかけてくれるようです。

それでは、この作品は、どうでしょう?





絵柄の描き方もいいし、窯印も、14代柿右衛門のものとそっくりです。(「作家の陶印・いろいろ」参照)

しかし、違和感を持つのは、絵柄そのものです。1つ1つの牡丹・梅・椿・石榴は、しっかり描かれているものの全体としてのバランスが悪いし、柿右衛門がこんな複数の絵柄を、1つの皿に描くでしょうか?

決定的なのは、裏面の装飾がないことです。



少なくとも、高台に朱線くらいは、入っています。全くないのは、違和感を感じますね。

ということで、私は、この皿は、贋作と判断しました。(真作かもしれませんが・・・・・・(笑))

同様に、こちらも、「いけません」。





虎が死んでいます。(笑) (サインは、第14代のものです。)

追記 1:

後日、同じ図柄のものを、また、見つけました。(しかも、『本物』として、30000円からに設定しています。)





しかし・・・・・今度は、第13代柿右衛門のサインです。
これでは、もう決定的な贋作だと言わざるを得ないですね。

一方、こちらはどうでしょう?





図柄、陶印共に、見分けが難しいものです。

しかし・・・・・形が悪いと思いませんか? 洗練された形とは言えないのではないか?と思います。

そこで、私は、この番茶茶碗を、贋作と判断しました。

実は、ここで上げた3つの例は、共に、共箱がありません。ですから、かなり、あ・や・し・いのは、確かです。1品、何万円もするもので、最初は、共箱が付いていたものですから、共箱に入っていないということ自体が、あ・や・し・いのです。

ただ、諸事情により、共箱がなくなっているものも、実際には、あるでしょうから、普段から本物を、見極める
力を磨いていれば、掘り出し物に巡りあえるかもしれませんね。

尚、「柿右衛門」のサインは、12代が、途中から使い始めたもので(以前は、「福」が多い)、12代、13代と
14代では、一見して、誰のものか?判断できますので、商品の説明と、陶印が違っていたら、あ・や・し・いと
思った方が良いようです。(「作家の陶印・いろいろ」参照)

         
        12代                13代                    14代

                                                (記 : 2010年1月18日)

追記 2:

またまた、怪しいものを、オークションで見つけました。



中々の出来で、私も、見た瞬間は、本物だと思い、ウォッチリストへ入れました。(笑)

しかし・・・・・・・

高台内に、サインがなかったので、変だなと見始めると・・・・・・

  

最初に、違和感を感じたのは、背面にある絵です。バランスが悪いのです。単独でしか、絵が見えないし、正面の絵との、一体感がありません。この点が、最も気になったことでした。

そういった疑いの目で、見始めると、共箱の様子もおかしい・・・・・

  

まず、表は、印刷ですね。人間国宝の作品が、印刷ということは、ありえません。自筆であるはずです。柿右衛門窯の作品ということであれば、印刷もあるか?と思いますが、見たことはありません。(柿右衛門窯の作品で、表書きがないものは、結構、見かけます。)

そして、決定的なのは、裏面です。14代柿右衛門のサインで、本物は、「柿右衛門」となっています。「柿右衛門」となっているのは、見たことがありません。この点は、比較的に、真贋を付けやすいのですが、またしても、「お約束通り」になっていません。

このお品の出品者は、すでに気が付いているのか?、「・鑑定などしてない品物らしいので、ご理解頂ける範囲でのご入札を宜しくお願い致します。 ・詳しくは分かりません。」と、断り書をしていますが、本物価格の3万円程で、落札されています。

皆さん、気を付けてくださいね。

実は、この出品者、今右衛門のものも、箱書きは、12代なのに、13代今右衛門の作品として、出品しています。中国の景徳鎮辺りに、贋作の依頼でもしているのでしょうか?

私は、香港で、贋作専門店に行ったことがありますが、「まず、絶対に贋作であることは、見分け出来ない」というのが、私の感想でした。この店のものは、すべて贋作ですと、教えてくれているのに、それでも、本物との見分けは出来ないな!と思いました。主に、ホテルとかに卸していると言っていましたから、ホテルのものには、贋作が多いかも?(笑)

中国人も、日本人と同じで、真似は上手ですから、贋作には、注意が必要なようです。
                                              (追記 : 2010年9月5日)

Copyright (C) ともさんの焼き物・骨董紀行  All Rights Reserved 
















inserted by FC2 system