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燗銅壺2号、3号、ちろり、オガ炭

燗銅壺(かんどうこ)の2つ目を手に入れました。燗銅壺2号と命名します。(笑)

燗銅壺2号









大きさは、高さ:約235ミリ、幅:約265×140ミリで、共箱付きです。

先に買った燗銅壺1号と、ほぼ同サイズですが、こちらのは、角型で、状態は良く、専用の共箱を作って、大切にしていたようですね。ちろりは、1号と同じもののようです。(1号の1つは、掴み手が取れています。)

燗銅壺1号 燗銅壺1号

 1号と2号

機能的には、ほぼ同じですが、楕円形の1号の方が、暖めるお湯の量が少なくて済みますので、熱効率が良くて、早くお湯が沸くという利点があるようです。

燗銅壺1号を、普段使いに、2号を保存用にしたいと思っています。ちろりは、状態の良い2号のものを使いたいと思います。

燗銅壺の歴史的な背景や、燗酒の文化については、「お酒の文化と燗銅壺」にまとめていますので、こちらを、ご参照ください。

 ちろり ★

こちらは、本錫製ちろり猪口です。



大きさは、ちろりが、口径2.5cm 高さ11cm、猪口が、口径4.8cm 高さ2.3cmで、共箱入りで、「本錫」の刻印が入っていますので、恐らく、大阪浪華錫器で、大阪錫器(株)のものだと思います。

大阪浪華錫器(おおさか なにわ すずき)とは、大阪府大阪市で製造されている錫器で、江戸時代初期には、大阪の心斎橋を中心に、幾つもの錫屋が、営業を始めており、『浪花買物独案内』には、弘化3年(1846)の大阪の「萬錫細工所」の看板が記載されていて、錫屋半兵衛(錫半)と、錫屋新兵衛(錫新)の店があり、錫半には瓶子の絵が、錫新には徳利が描かれています。

昭和58年(1983年)には、国の伝統的工芸品の指定を受けていて、この時に、錫器の錫の品位を統一して表示する刻印を「本錫」としています。しかしながら、その後、需要が減る中、廃業が相次ぎ、江戸時代(1714年)から続いた大阪の老舗「錫半」も、1996年に廃業しています。

大阪浪華錫器は、現在、全国の錫器のシェアの7割程度を占めていますが、製造しているのは、大阪錫器1社だけになっています。

錫師の技術は、1200〜1300年程前の、飛鳥・奈良時代に中国から伝えられたといわれています。茶が伝来した時の茶壷が錫器であり、その後主に酒器に錫が利用されるようになりました。

近世に入って、薩摩国(鹿児島県)谷山の錫鉱山や、越中国(富山県)亀谷などの鉛鉱山が開発され、多量の錫や鉛の鉱石が採掘されるようになると、錫器の製造も増大し、江戸時代前期には、京都を中心に錫器の製造が盛んになりました。その後、大阪でも錫器の製造が盛んになり、次第に中心が、大阪へ移っています。

大阪以外の産地としては、鹿児島、京都、高岡辺りで、生産されているようです。

  

ちろり(銚釐/地炉利/千呂利)には、上のように、取っ手が少し違う2タイプがありますが、燗銅壺には、取っ手が胴にくっついていない左側のタイプが適当ですので、こちらのタイプのちろりが欲しくて、購入しました。

銅製のちろりもいいんですが、やはり、錫製のちろりは、清潔感もありますし、燗銅壺で燗をするのに、「良く似合い」ますよね。

ちろり って、変な名前ですが、ちろりの語源は、囲炉裏(いろり)がなまったと言われており、“ちろり”と短時間に暖まるからとか、酒好きの方が待ちきれず舌をチロリと出すからとも言われています。

本当かどうかは知りませんが、錫の酒器は、イオン効果で、酒の味を驚くほどまろやかにするとされていますし、熱伝導もいいですので、燗銅壺で燗を付けて、摘みを炙りながら、おいしい日本酒をいただきたいと思いますが、調子に乗って、酔っ払いそうです。(笑)

★ 燗銅壺向き炭 ★

燗銅壺を使うとなると、が必要になってきます。燗銅壺の燃焼部分は、とても小さいので、炭も必然的に小さなものでなくてはいけません。しかし、小さな炭は、爆ぜるようですし、火持ちもあまり良くないということです。しかも・・・・・火持ちの長い備長炭は、消えやすいとも・・・・・

そこで、オガ炭(オガクズを原料にした人口の炭)というのが、爆ぜ難く、火持ちも良く、灰が少ないということでしたので、2種類のオガ炭を買って、試してみることにしました。

1つが、まねき炭小割です。

まねき炭は、針葉樹や広葉樹のおがくずを圧縮して、表面に焼きを入れて、木に含まれるヤニで固め、成形したものを専用の釜で、高温で長時間焼き上げた炭です。

特徴は、真ん中に穴が空いているため、火が眠り難くて、火持ちがよく、足し炭の手間が少なくて済むということです。

欠点は、火付きが悪いということで、火起こしなどで、火を付けるか、火付きの早い炭を併用する必要があります。

また、他のオガ炭と比較すると、結構、値段の高い部類のオガ炭になりますが、燗銅壺で使う場合には、使用量がしれていますので、あまり、気にならないかも?(1kgで、1260円でした。)

室内で使う場合には、煙と臭いが気になりますが、使用してみましたが、全く気になりませんでした。

2つめが、国内産富士オガ炭です。

愛媛県で、製造されたおがくずが原料の炭の、オガ炭で、おがくずに高圧力をかけて固形化したもので、固める為に接着剤などは使用していないので、煙、臭いが少ないということです。

一方、欠点は、まねき炭と同じで、硬くて燃焼時間が長い反面、非常に最初の火が付きにくい点です。

こちらは、お徳用価格で、2kgで、398円と、まねき炭小割の6分の1以下で、安いですね。



どちらも、性能の差は感じられず、火持ちが良くて、臭いもなく、灰も少ないので、室内でも問題なく使えますので、いいですよ。 ただ、火付きが悪いので、充分過ぎるくらい火起こしで、着火することが肝要です。



焼肉は、結構、煙が出ますので、屋外で使用しましたが、バッチリでした。焼き鳥や、焼肉は、煙で燻されることによって、味が良くなるわけですので、煙を嫌ってはいけませんが、季節の良い時には、野外で、室内で使用する時には、換気扇を稼動させて、楽しむのが良いかと思います。
                                                (記 : 2012年10月20日)

追記 :

★ 銅製品や、真鍮製品をきれいにする方法 ★

銅製品や、銀製品、真鍮製品が汚くなった時に、どうすれば良いのか?は、多くの方々のお悩みですよね。

そこで、色々とネットで調べて、やってみましたが、これが一番という方法をご紹介します。

上記で買った燗銅壺1号のちろりで、やってみました。



右側のものが、磨いた後のもので、左側が以前のものです。左が、ビフォー、右が、アフターです。



この通り、左側のものもピカールで、磨くときれいになりました。

まず、評判を参考に買ったものは、「ピカール キレー」という商品です。浸け磨き剤(原液150ml)、光沢磨き剤(ピカール50ml)、専用ふき取り布が入っていて、1680円(アマゾン)です。

        

実は、私は、浸け磨き剤(原液150ml)に期待して、このセットを買って、ちろりの内部の錫の部分の汚れをきれいにしたかったのですが、あまり効果はありませんでした。ただ、真鍮には、効果があるようで、仏壇用品を浸け荒いすると、きれいになるそうです。

一方で、光沢磨き剤(ピカール50ml)で、磨いた後、水で濯げば、この通り、ピカピカになりました。ピカールだけを買うとお安いようですし、こちらは、オススメです。

ただ、こちらは、擦って磨ける部分だけで、ちろりの内側のように、磨き難い部分は、どうすれば良いのか?また、物の方法で、試してみたいと思っています。
                                         (追記 : 2012年10月31日)

追記 2:

3つ目の燗銅壺(かんどうこ)をゲットしました。燗銅壺3号と命名します。

燗銅壺3号







こちらは、少し小振りで、大きさが、16.8cm×13.5p 高さ10.5p(持ち手含まず)で、燃焼室が小さいのが特徴です。

燗付け専用という感じですね。燗用の水を入れる部分は、同じ構造ですが、やかんと同様の水抜き口が付いていますので、水の入れ替えが楽になります。

こういったタイプの燗銅壺を、コレクションに加えたかったので、偶然、お手頃価格でゲットできて満足です。



早速、使ってみましたが、燗をするのに丁度良い大きさでした。お酒もすすみますね。(笑)

★ 燗銅壺 いろいろ ★

燗銅壺には、構造はどれも同じですが、色々な形状のものがあります。ネットから拾い集めてみました。どれも、個性的でいいですね。







                                              (追記 : 2013年1月23日)

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