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意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

岩鋳製の南部豆鉄瓶

南部鉄器(なんぶてっき)のトップメーカーの「岩鋳(いわちゅう)」の豆鉄瓶です。















大きさは、最大幅:13cm、高さ:12,5cm、深さ:5,5cm、蓋幅:7cm、重量 700gで、台が付いており、台幅:10cm、高さ:1,8cmです。刻印も、お決まり通りです。

  ←メーカーサイトの刻印

本来は、急須として、お茶をいただくのに使うものですが、燗銅壺の火口での使用、お酒の燗付け用、又は、鉄銚子にいいかな?と思い、購入しました。中々、こんな小さなサイズの鉄瓶は、中々見つからないので、ラッキーだったと思います。

色々と調べてみると、岩鋳 南部鉄器/南部鉄瓶兼用急須セット 3型アラレという製品だということがわかりました。現在は、新アラレとなっていて、同じものはないようです。

岩鋳」は、明治35年の創業以来、伝統の技を守り継承する南部鉄器のトップメーカーで、 年間100万点にものぼる鉄器を、伝統の技術の保存指定を受けた「焼型法」による、鉄瓶・茶の湯釜・花瓶の製造、及び、近代設備工場での「生型法」による、鍋・置物・装飾品の製造もこなしており、 その種類は1800点にも及んでいます。

伝統工芸品としての命を守り伝えながら、時代が求める新しい伝統の創造にも取り組んでいる会社でもあります。

この鉄瓶の内面は、シリコン焼付け塗装がしてありますので、内部が光って見えますね。ホーロー仕上げでなく、「特殊焼付加工を施しておりますので、ご使用時に鉄分が溶出いたします。」ということです。

沸かしたお湯は、身体に吸収されやすい二価鉄を多く含んだ鉄分が溶出しており、また、水道水に含まれる塩素を除去する働きもあって、よりまろやかで甘美なものとなるそうです。

この豆鉄瓶は、ほぼ未使用のようですが、私の買った古作の南部鉄瓶には、白いカルシウムの結晶がついていましたので、使い込むことが必要でしょうね。(「富士形地紋南部鉄瓶」参照)

 注ぎ口に溜まったカルシウム

燗銅壺でお燗をしたお酒を飲んだ後は、南部鉄瓶で入れたお茶をいただくというのも、また風流ですね。

また、この鉄瓶の底は、結構、フラットになっています。このまま、IH調理器を使って、燗をするのも良いかと思います。(笑)(鉄瓶は、IH対応と書いてなくても、ほとんどのものが、底が厚く、使用可能だそうです。)

早速、我が家の茶釜用の小型のIH調理器で試してみましたが、ばっちり使用可能でした。IH調理器は、一定の温度を保つ機能を持っていますので、60度で設定していれば、燗がつき過ぎるということもなく、便利です。


                   小型のIH調理器を使った茶釜

★ 錆びてしまった南部鉄瓶は、どうする? ★

回答例1: 
川添竹材商店HPより

お茶ガラで処理しましょう。だし取り用の紙パックにつめた出がらしの茶葉を煮詰めると効果的です。すぐにお湯の色が黒くなり、やがて鉄瓶内部も黒くなったように色が変わります。後はお湯を何度か沸かしては捨て、きれいにしてからいつものようにお使い下さい。

茶殻を煮立てることで鉄瓶内部にタンニン鉄の被膜を作ってサビの進行を抑えるのです。

回答例2: 南部鉄器共同組合HPより

煎茶を湯呑茶碗一杯分、布に包みお湯といっしょに20分位煮込むか、米のとぎ汁を入れ、煮込んでください。この作業を2、3回繰り返すとさらに効果があります。これは金気止めと内部の金漆の臭いをとる効果ががあります。(煮立てる間はフタをはずしてください。)

これを、2〜3回繰り返すのがいいそうです。
                                                (記 : 2011年6月17日)

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