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升野茂作・石見焼のぐい呑み

石見焼(いわみやき)の桝野窯で焼かれた、升野茂作のぐい呑みです。











2010年4月17日に、我が家の近くのホームセンターの駐車場で行われた、石見地方の特産品展示販売イベントで買いました。

大きさは、径5.8cm、高さ4.5cmほどのぐい呑みで、八面に面取りされていて、釉薬をかいらぎ状にした作品です。

土は、山のものをそのまま使っているそうで、粗めの土で、高台部分も鉄分で、赤くなっています。ちょっと白萩に似ていますが、釉の色は、鼠色っぽい感じです。

石見焼の作家物は、オークションでもめったに見掛けないので、いつかは、窯元に行って、手に入れようと思っていたのですが、偶然、催し物があって、しかも、気に入った作品があったので、ラッキーでした。

石見焼は、島根県江津市浜田市を中心とする地方で焼かれている陶器で、桝野窯は、島根県江津市にある窯元です。このぐい呑みの作者の升野茂さんも、お見えになっており、色々と、焼き物の説明をしていただきました。

他にも、海鼠釉のものや、辰砂釉のもの等がありましたが、特に、辰砂釉は、色が濃く出ていたので、「良い色が出ていますね。」と話すと、辰砂釉は、窯の位置が重要で、最近は、中々、いいものが出ていないとのことでした。登り窯などで焼いた場合には、酸化、還元の調整は難しいでしょうから、還元焼成の辰砂釉は、難しいのだと思います。

 升野 茂 さん


                      石見焼の展示販売ブース

石見焼が江津に伝わったのが、1763年といわれ、周防岩国藩から製陶法が伝わったとされています。水ガメなどの大きな壺を中心に製造していました。現代と違って水道がなかった時代では、くんできた水を溜めておく大きな水ガメは、各家庭になくてはならない大切な生活用品でした。江戸時代末期に北前船によって全国へ出荷され、石見の『はんど』として親しまれました。

石見焼には、地元の都野津層粘土が使われています。釉薬(うわくすり)には深みのある茶褐色を生み出す来待釉や半透明の青みをだすアルカリを含んだ温泉津石などを使っているのが特徴です。

 来待釉の水甕

 
                        石見焼いろいろ

現在、江津市、浜田市を中心に、11の窯元が石見焼の生産をしており、平成6年に、経済産業省の伝統工芸品の指定を受けています。
                                               (記 : 2010年4月17日)

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