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都城焼(霧島工房)の猪口

都城焼(みやこのじょうやき)、霧島工房の宇都野晄(うつのあきら)作の猪口です。







実は、私の家内の実家は、宮崎県都城市にあり、義母に、都城焼のぐい呑みを買って欲しいとお願いしていたのですが、残念ながら、ぐい呑みがなかったので、この猪口にしたとのことでした。

これに加えて、義妹が、ちょっと何かわかり辛い、一輪挿し?も、送ってくれました。

 一輪挿し?





いずれのものも、辰砂の発色が良くて、ちょっとびっくりでした。「おぬし、やるな!」といったところでしょうか?(笑)

大きさは、高さ7cm程の小さなものですが、残念ながら、お箱のことを言い忘れていましたので、共箱は、ありません。まぁ、窯元を訪れて、買っているので、真作保障ですから、不要か?(笑)

都城焼は、宮崎県都城市で焼かれている陶器で、起源は、天明元年(1781年)より、都城焼物所として、藩窯が開かれたところまで、遡ります。

その後、宮丸焼、小松原焼などの変遷を経て、現在の都城焼は、昭和49年に、宇都野新太郎氏が、本格開窯したものです。以来、都城の自然を生かした焼き物を作りたいと、素材選びからこだわる窯元として、内外の注目を集めました。(小松原焼は、当初は、都城にありましたが、現在は、宮崎市に移っています。)

その後、昭和53(1978年)年に後を継いだのが、宇都野晄氏で、 12年間勤めたデパートを辞め、伝統の地で父親の描いた「真の陶芸道」を具現化させるため、陶芸の世界に入り、その非凡な才能を開花させました。本年で、陶芸家歴32年になります。


都城は、元々、旧薩摩藩の城下町であったため、人情・風俗にその影響を色濃く残しており、黒薩摩の持つ「用即美」を秘めた土の香り豊かな陶器が、多かったのですが、最近では、新作も増えています。

 黒じょかセット

焼成方法は、還元焼成が多いそうですので、陶土の焼き上がりが、灰色になっているものが多いようですし、辰砂釉も、発色がうまく出るのだと思います。

  

平成11年には、現在の工房を構え、陶芸教室も行っています。

  宇都野晄さん

都城は、薩摩藩の勢力圏内でしたので、酒器は、黒じょかに、猪口が多いので、ぐい呑みには、中々、出会えません。実は、私が、初めて都城を訪れた際、普通の飲食店で、お酒を注文すると、湯呑に冷やの生の焼酎(20度)が出されて、びっくりしました。癇をつけるわけでもなく、湯呑に生の冷や焼酎ですから、普通は、驚きますよね。(尚、薩摩焼酎は、25度で、6:4で割って飲むのが一般的です。)

そういった意味で、焼酎の文化圏では、ぐい呑みは、使い辛く、その為、あまり作られていないのかもしれません。薩摩焼に、ぐい呑みが少ないのと同じかもしれませんね。
                                              (記 : 2010年8月18日)

追記 1:

2011年4月8日に、都城焼の窯元を訪れました。



義母が、急死してしまい、18年ぶりに、宮崎県・都城市の家内の実家へ行った際、少し、時間が取れましたので、寄ってみました。

奇しくも、2011年1月、新燃岳が噴火して、火山灰が降り注いだ場所でしたが、2011年4月の時点では、多くの火山灰は、除去されているようでした。

前回、義母に都城焼を買って欲しいと頼んだ際には、ぐい呑みがなかったそうですが、今回は、新燃岳から噴出された火山灰を20%練りこんだ陶土を使ったぐい呑みがありましたので、購入しました。







透明灰釉が掛けてありますが、茶色の斑点になっている部分が、火山灰の粒のようです。2011年1月26日に採取した火山灰も、いただきました。

大きさは、径:5.5cm、高さ:5cmほどで、丁度お酒を飲み易い大きさで、共箱、共布(印なし)付きです。

前回、義母に買っていただいた辰砂釉の作品は、今回の訪問時には少なく、発色の良いものが残っていませんでしたので、買っていただいて良かったなと感じた次第です。

残念ながら、義母は、83歳で、天寿を全うされましたが、「子孝行」と言いますか、子供たちに、介護の迷惑を掛けることなくの頓死でした。買っていただいた都城焼辰砂の作品は、義母の忘れることのない贈り物となっています。

窯元では、ご主人の宇都野晄さんと写真も一緒に撮らせていただきましたが、疲れのせいか(元々、悪いのか?(笑))家内の撮った写真は、今一でした。(笑)



また、お世話になった義妹に、お礼として、下の都城焼のコーヒーカップを買いました。海鼠釉の発色の良いいい作品だと思いました。大切に使ってくれると思っています。



今回買った新燃岳の火山灰入りのぐい呑み・・・・・珍品だと思いますので、末永く大切にしたいと思っています。
                                            (追記 :: 2011年4月15日)

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