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丹波立杭焼の里を訪問!

2012年10月25日〜26日に、兵庫県篠山市立杭の丹波焼の里を訪れました。これは、その際に買った市野悟窯の、市野哲次作、丹波立杭焼(たんばたちくいやき)の彩色線象嵌ぐい呑みです。

















ぐい呑みとしては、大変変わった形で、長四角形になっていて、オブジェのような感じもします。面白い作品だなと思い、購入しました。(お値段は、7000円です。)

大きさは、高さ:65mm、長方:65mm、短方:45mmくらいで、共箱、共布、栞付きです。

丹波立杭焼の窯元は、60くらいありますので、今回は、まず、「陶の郷」(伝統産業会館)へ行き、すべての窯元の作品が展示販売されていますので、窯元を訪れる前に、どんな作風なのか、調査かてがて、最初に訪れました。(丹波焼の歴史等については、「丹波焼の茶碗」を参照)



実は、このぐい呑みは、そこで、一目惚れで、買ったものです。私は、窯元での会話を楽しむタイプなのですが、中々、こういったものはないのでは?と思い、先に購入しました。その後、窯元へも伺ったのですが、その前の週末に、丹波焼祭りがあった影響でしょうか?多くの窯元が、お休みで、お目当てだった延年窯や、大熊窯も、残念ながら、お話をお聞きすることが出来ませんでしたので、結果的には、正解でした。

また、伝統産業会館では、新作展も催されており、新作を拝見することが出来ました。下のは、その時の作品一覧です。



丹波焼の発祥は、平安時代末期から鎌倉時代のはじめといわれています。桃山時代までは「穴窯」が使用されていましたが、慶長16年(1611)ごろ朝鮮式半地上の「登り窯」が導入されました。しかし、その作りは、穴窯を踏襲していて、房と房の間が長く、細長いのが特徴で、「蛇窯」とも言われています。

こちらは、大熊窯の登り窯で、噴出し口からの写真です。







房と房の間が長いのがわかると思います。また、房の大きさも、他の登り窯と比べると小さいような感じがし、結果として、細長くなって、蛇のような窯になっているといった感じでした。

こちらは、上立杭地区の窯元の共同窯の登り窯で、兵庫県の指定文化財になっています。







また、すぐ近くには、別の登り窯や、廃窯になっているものも見かけられましたが、この辺は、密集地でしたので、噴出し口が、煙突式になっています。

この登り窯の近くに、お目当てだった延年窯があるのですが、残念ながら、お休みでした。



この近くに、もう1つ買ったぐい呑みの窯元である、丹満窯もありましたが、こちらも、お休みでした。

下のぐい呑みは、「陶の郷」買ったもので、恐らく、森本靖之さんの作品だと思います。典型的な丹波焼の伝統技法で作られたぐい呑みで、自然釉焼き締めで、見込みの中は、赤土部釉(あかとべゆう)が使われています。









 「丹満」印

大きさは、径:65mm、高さ:60mmほどで、お値段は、1200円と、かなり良心的なものでしたが、典型的な丹波焼の技法でしたので、購入しました。

冷やで飲むお酒は、土ものがよく合うと思いますので、普段使いにしたいと思っています。

翌日は、篠山市の丹波古陶館(たんばことうかん)を訪れ、たくさんの古丹波の壺をみて、こんなに室町時代のものが残っているのに、びっくり・・・・・白丹波の名品や、海鼠釉の名品もあって、丹波焼の代表作を紹介している本に出ているものも多く、「いいもの」を見せていただきました。



また、篠山の町並みを歩いていたら、骨董店(かねさ美術 京うさぎ店)を発見。大正時代の丹波通い徳利(たんばかよいとっくり)がありましたので、買っておきました。(「徳利と盃の話」参照)







その後、丹波篠山名物の「ぼたん鍋」(いのししなべ)をいただき、地元の銘酒「鳳鳴」(ほうめい)で、すっかり酔っ払い、運転を家内に任せて、ご機嫌で、丹波篠山を後にしました。(笑)
                                               (記 : 2012年10月30日)

★ 作家 プロフィール ★

 市野 哲次 (いちの てつじ)

1964年 丹波焼の代々の窯元の家に生まれる。
1985年 嵯峨美術短期大学、
1986年 瀬戸窯業職業訓練校を卒業し、丹波立杭で陶芸家の道へ。

伝統技法を継承しつつ、線の文様が際立つ個性あふれる作品を創作し続け、丹波焼きを代表する作家として、今後の活躍が期待されている。

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