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唐津焼の里を訪問!

2013年7月28〜29日に掛けて、佐賀県唐津市にある、唐津焼(からつやき)の里へ出掛けました。そして、その際に買った、14代中里太郎右衛門窯作、絵唐津のぐい呑みです。











 窯印

大きさは、径:5.7cm、高さ:5.8cmほどで、鉄絵で文様の描かれた「絵唐津」で、共箱、栞付きです。

中里太郎右衛門窯と言えば、絵唐津ですので、絵唐津のぐい呑みの中から、お気に入りのものを選びました。もちろん、朝鮮唐津、斑唐津、三島唐津、刷毛引き唐津のものもありましたが、やはり、絵唐津が有名ですので、どうしても、絵唐津に目が行ってしまいました。

実は、展示場も、工房作品が展示されているところと、新館と言われる、本人作のものが展示されているところがあり、さすがに本人作のものは、桁が1つ違いましたので、工房作品にすることにしました。(笑)

窯元は、伝統を感じさせる建物で、さすがに、本家だなと感じさせてくれる佇まいでした。

 窯元入口



 展示場にて

ぐい呑みを買って、お支払いをする際に、登り窯について尋ねると、展示室から、歩いて、3分のところにあると教えられて行ったのが、下の登り窯です。江戸時代から使われていたもので、保存されています。





唐津焼の説明には、必ず出てくる朝鮮式の登り窯ですね。実物を見て、納得でした。

この後、中里太郎右衛門窯のすぐ近くにある、中野陶痴窯へ行ったのですが、すでに、抹茶碗を持っていましたので、見学だけさせていただいて、お品は買いませんでした。(作品のすべてが、本人作で、予算的に厳しいこともありましたが・・・・(笑))(「四代中野陶痴作・唐津茶碗」参照)

この後、JR唐津駅の近くにある観光協会物産展示場で、ほぼすべての窯元の作品も拝見してきました。

その夜は、唐津の老舗旅館「松の井」に宿泊しました。明治28年に料理屋として創業しただけあって、料理が素晴らしい旅館ですが、特に圧巻なのが、出される料理に使われている食器で、中里太郎右衛門窯のものも惜しみなく使われていますし、仲居さんが、すべての作品の作者を説明してくださいますので、ここに泊まれば、唐津焼のすべてが実感できるといっても過言ではないと思います。



惜しげもなく、唐津焼の名作が使われていますので、壊してしまわないか心配するほどでした。(笑)

中央にある、いかの刺身は、活きている烏賊を調理したもので、つつくと、まだ動きます。身の部分を刺身でいただき、胴とゲソの部分は、後で、塩焼きか、てんぷらにしていただけます。

どれも、これも、おいしい料理で、ボリュームも満点で、食べきれないほどでした。

これだけの料理が出ても、予算的には、それほどでもなく、超〜〜〜お薦めの料理宿ですので、唐津を訪れる機会があれば、ここにお泊りになることをお勧めします。

ほぼすべての食器が唐津焼なのですが、1つだけ、急須だけは、無名異焼でしたので、その理由を聞いたところ、唐津焼は、土の粒子が粗いので、細かな穴があって、水分が吸収されて、お茶がうまく出せないということでした。なるほどなと思った次第です。

抹茶碗や、ぐい呑みでは、景色が変化するという唐津焼の特色も、緑茶の場合には、不向きなんですね。

翌日は、朝から、唐津中心部から車で、30分ほどのところにある呼子(よぶこ)へ行き、日本3大朝市の、「呼子の朝市」に出掛けました。



鯨御殿と呼ばれている「中尾家屋敷」を拝観し、サザエやいかの一夜干しなどを買った後、すぐ近くにある埠頭から、「ジーラ」と呼ばれる海中観覧船で、海中に泳ぐ魚たちを見、その後、この地域(唐津市鎮西町)に窯を構えている、矢野知さんの殿山窯を訪れました。

奥様が出てこられたのですが、「あいにく・・・・作品が今は、あまりありません。」とのこと・・・・・それでも、展示室に通されて作品を拝見しましたが、おっしゃるように、作品は、まばらで、私が欲しかった朝鮮唐津のぐい呑みはなく、残念ながら、お品を求めることはできませんでした。

 展示室にて

今は、矢野知さんは、からだの具合が良くなくて、作陶はしていないそうですが、息子さんの直人さんは、ここで、作陶されているそうです。

 登り窯

この登り窯で焼かれているそうで、気に入らないものは、出さないこだわりがあるので、「数がとれないんですよ。」と、奥様がおっしゃっていました。

登り窯としては、燃焼室が小さな窯で、もっと写真を撮っていたと思うのですが、帰宅してみると、窯の上から撮った、一番わかりにくいこの写真しかありませんでした。申し訳ございません。

尚、私は、矢野知作の斑唐津(まだらからつ)のぐい呑みを持っています。「矢野知作・斑唐津のぐい呑み」に矢野さんの経歴などがありますので、ご参照ください。

 斑唐津のぐい呑み

この後、近くにある道の駅「桃山天下一」で、昼食をとって、帰路につきました。今回は、母も連れての旅行でした。冥土へのいいお土産になったかな?(笑)

★ 作家 プロフィール ★

 十四代 中里太郎右衛門(なかざと たろうえもん) 本名 忠寛(ただひろ)

1957年 十三代 太郎右衛門の長男として、唐津の窯元の家に生まれる。

1979年 武蔵野美術大学 造形学部彫刻学科を卒業。

1981年、武蔵野美術大学大学院を修了。

1983年 父の陶房(中里太郎右衛門陶房)で、作陶を始める。

1984年 日展で青唐津手付壷「貝緑」で、初入選を果たす。

2002年 十四代 太郎右衛門を襲名。
                                                (記 : 2013年8月7日)

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