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プノンペンでクメール陶器をゲット!

2014年3月18日、カンボジアの首都プノンペンにある骨董店で買ったクメール陶器の壺です。













大きさは、径:135mm、高さ:90mmほどの壺で、重さが、1.5kgありますが、これは、壺の中の4分の3くらいのところまで、土が入っているためです。

恐らく、アンコール王朝絶頂期の、12〜13世紀 (鎌倉時代)のもので、約800年前のものだと思います。クメール王朝滅亡後、廃墟の中で埋もれていたものが発掘されたお品だと思います。

前回、タイのバンコクで買ったものにも、土が少し入っていましたが、ここまで、たくさん入っていると、地中に埋もれていたものだと判断できます。(下のものが、1999年にバンコクで買った黒彩陶器 です。)



前回、プノンペンを訪れた時に、国立博物館で、クメール陶器の実物を見ていましたので、今回は、安心して買うことが出来ました。

クメール陶器では、この形の壺をよく見かけます。何に使ったのか?よくわかりませんが、仏教(ヒンドゥー教)に関係するものかもしれませんね。

 国立博物館

 案内板

国立博物館内は、撮影禁止ですので、展示されていたクレール陶器を撮影することはできませんでしたが、このような黒彩陶器と、灰釉による青磁陶器 が展示されていました。

しかしながら、カンボジアは、「石と青銅の文化の国」で、陶磁器は、11〜13世紀のクメール陶器しかなく、ほとんどの展示品は、石像や、石造物、青銅製のものでした。

私が訪れた骨董店も、ほとんどが、青銅の像や、石像でしたが、奥の奥のコーナーに、クメール陶器が隠れていました。(笑)



 クメール陶器

この骨董店は、プノンペンのセントラルマーケットの近くにあり、「LUCKY HERITAGE」という名前の骨董店で、お値段もリーズナブルだと思います。先に、訪れたアンコールワットのある、シャム・リアップの骨董店にも同様のクメール陶器があったのですが、3倍くらい高く、シャム・リアップは、多分、観光地ブライスということなんでしょうね。

 お店の前で



上のマーケットが、プノンペンの中心地にある「セントラルマーケット」で、このクメール陶器を買った骨董店は、すぐ近くにあります。

前回のシャム・リアップでは、悩みに悩んで、ベトナム製の「安南染付」を買ったのですが、今回は、思ったものが、思ったような値段でありましたので、すっきり買うことができました。(US$95です。)

また、1つ、お宝が出来て、大変、うれしく思っています。

★ クメール陶器 ★

クメール王朝(クメールおうちょう、アンコール王朝とも)は、9世紀から15世紀まで、カンボジア付近に存在していた王国で、10世紀には、タイ、ラオスを含む地域まで勢力を拡大して繁栄し、1431年に、タイのアユタヤ王朝に滅ぼされるまで、独自の文化を持った王朝が存在していました。

その時代には、アンコールトムや、アンコールワットが建設され、石造物、青銅物、陶器も発展していました。

クメール陶器は、この地域に、中国の陶磁器技術が入る前のもので、都がアンコールトムだった、11〜13世紀のアンコール王朝絶頂期のものがほとんどです。

14世紀以降は、タイ、ベトナム、ミャンマーでは、中国の焼き物の技術が入ってきて、飛躍的にその技術が発展しました。

しかし、クメール陶器には、中国の焼き物の技術の影響が見られません。

クメール陶器は、土器が少し発展した程度ですが、ここ独自の技術での焼き物ですので、しっかりとした文化があったことが伺えます。

その多くは、黒褐釉陶と、自然灰釉の還元焼成による青磁釉陶 で、やさしさのある、ぽってりとした丸みのある形状が特徴です。

尚、クメール陶器は、何らかの理由で、13世紀以降は、消滅してしまったとされています。
                                                (記 : 2014年3月21日)

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