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2014年1月5日に、広島県安芸郡熊野町にある熊野筆(くまのふで)の発信施設である「筆の里工房」を訪れた際に買った、泰盛堂作、細微羊毛熊野筆です。 全長:約295mm(イボ別)、内径:約8mm、出穂:約42mmの、 細光鋒を100%使用した、羊毛筆で、軸は水牛ダルマです。 穂先で、頬に触ると気持ちがいいくらい、細い羊毛で作られており、使ってみるのが、もったいない感じです。 羊毛筆と言っても、緬羊(ひつじ)の毛で作られているのではなく、中国の江南地方に棲息する、「嘉蘭路」という山羊(やま ひつじ)の毛で作られており、通常の山羊(やぎ)と区別するために、山羊毛(さんようもう)とも呼ばれます。 羊毛筆に使われる山羊 使用される部分 山羊の毛は、丈が長く、毛先が柔軟でまとまりや墨含みにも優れています。その柔らかさゆえに摩擦による消耗が少なく、毛の寿命も長いのが特徴です。 上質な羊毛筆であれば、20年から30 年は使い続けることができるといい、使えば使うほど毛の弾力が増し、書きやすくなります。それが、毛筆の中で最上級と言われる所以かもしれませんね。 中国製の汎用の羊毛筆は使ったことがありますが、捌き筆で、こんなに穂先の長いものを1度使ってみたかったので、買ってみました。 泰盛堂(たいせいどう)さんは、熊野町中溝3丁目にある熊野筆の製造・販売をしている会社ですが、ネットで調べた範囲での情報が少なく、社長さんのブログから、社長さんの画像を引用させていただきましたが、お名前等は、わかりませんでした。 熊野筆セレクトショップで、この筆を選んだ際には、店員の方が、「ご主人は、お目が高いですね。この価格(6000円)では、大変お値打ちものです。」と持ち上げられましたが、同様の筆が、1万円以上はしていましたから、本当に、お値打ちものなのでは?と思っています。 セレクトショップでは、試筆することが出来ますが、この筆は、素人では、扱えないような難しい筆であることは知っていましたので、遠慮しておきました。(笑) 尚、熊野筆(くまのふで)の歴史等につきましては、「湖筆と熊野筆」にありますので、そちらを、ご参照ください。 ★ 筆の里工房 ★ 筆の里工房は、広島県安芸郡熊野町にある、筆をテーマにした博物館で、1994年に作られました。 入口にて 展示室に入ると一際目立つのが、下の大きな筆で、全長3.7mもあります。 筆の歴史を、日本文化の変遷をたどりながら紹介する常設展示や、昔の民家を再現した場所での、伝統工芸士の筆づくりの実演、筆を使った様々な体験などができます。また、特別展もあり、訪れた際には、「大内コレクション」の特別企画展が開かれていました。 展示館からは、かつての灌漑用の溜池を利用したと思われる池が望め、その周囲に、毎年開催される「筆まつり」での作品が、石碑として展示されていて、下の写真のように、散歩がてらに見れるように工夫してあります。(奥に見えるのが、本館です。) 本館内には、セレクトショップがあって、毛筆の他、画筆や、化粧筆も売られています。毛筆は、1500本あるといいますから、どれにするのか迷いますね。下の写真は、私が買った羊毛筆のコーナーですが、選び甲斐がありました。 家内も、アイシャドウ用の化粧筆を買いましたが、ばばあが、今更化粧をしても・・・・と思うのですが・・・・(笑) 最後に、「筆の里工房 」の石碑の前で、買った筆と共に、記念撮影をして、帰路につきました。初めての熊野町でしたが、「昔は、かなりの山間の町だったんだろうな」と一般道を通って来た際は思いましたが、帰りは、有料道路を通ったのですが、山陽自動車道まで、あっという間でしたので、びっくりでした。 (記 : 2014年1月6日) 追記 : 意を決して、この羊毛筆を使ってみました。さすがに書きやすい筆でしたが、しなやかなタッチのために、「かすれ」が出てこない感じでした。愚筆ですが、「熊野筆」と書いてみました。 (追記 : 2014年5月4日)
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