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清朝末期?の五彩蓋付き陶硯(とうけん)です。 大きさは、長さ:10.5cm、幅:10cm、高さ:6cmほどの小さな磁器の硯で、蓋付きです。 「佩玉堂(はいぎょくどう)製」とあり、中国のオークションサイトでも、清時代のものとして、類似品が出品されていますので、清時代のものと思いますが、彩色の感じから、清朝末期のものではないか?と思います。 硯の墨堂部分は、未使用のようできれいです。 陶硯は、実用にはあまり向かないものの、現在でも作られており、今後、亡くなっていくものなのかな?と思い、購入しました。 尚、この硯は、磁器で出来ていますので、「磁硯 」ですが、陶磁器で出来た硯を、一般に、「陶硯(とうけん)」と呼んでいます。 下の2点は、中国のオークションサイトからのもので、「佩玉堂制 」とあり、まさに、私の買った陶硯と同じ作風ですので、間違いないと思います。 硯の歴史を見ると、硯が使われ始めたのは、漢の時代(紀元前206年〜220年)で、まず、陶磁器製の硯 が使われるようになりました。そして、六朝時代 (南北朝時代)(436年〜589年)頃から、石の硯がつくられ始めました。 その後、石の硯が主役となるものの、陶硯がなくなることはなく、美術品や、コレクターアイテムとして、延々と作り続けられています。 こちらは、美濃焼の名工を父に持つ、横浜市にお住いの野中春甫さんの作品で、昨年入手したものです。(「野中春甫作・翡翠窯の陶硯」参照) あまりに、美しいので、使う気にはなりませんが、こうして、今でも、陶硯は、国内でも作られています。 最近のオークションでは、下のような陶硯も見かけました。色々な種類の陶硯があるようですね。 陶硯を使うと、墨堂の部分が墨で汚れます。しかも、墨の下りが悪い・・・・・石の硯と比べると、墨が落ちにくく下墨が悪いのが、欠点ですが、石にはない色彩や、釉薬の粋を醸し出すことができます。それが、石に硯の主役を譲った後も、こうして作り続けられている要因だと思います。 (記 : 2013年11月15日)
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