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ビッグサイズの羅紋硯(らもんけん)です。 大きさは、幅:20.5cm、長さ:30.5cm、高さ:4.5cm、重さ:5.2kgの、A4サイズほどもある中国製造の羅紋硯で、紙共箱付きです。普通サイズの硯を並べてみるとその大きさがわかると思います。 墨堂、裏面共に、羅紋がきれいに出ています。典型的な中国江西省玉山県の羅紋硯だと思います。 しかし、こんなに大きな硯は、どう使うのでしょうね?そんなに大きな墨があるわけではありませんので、墨汁を使って、大作を書く時などに使うのでしょうか? 実は、この硯が欲しくて買ったわけではないのですが、おまけに付いていた、紅渓石硯と、端渓硯が欲しくて買いました。紅渓石硯については、「崎川羊堂作・紅渓石硯」を、端渓硯については、「松彫文・端渓硯」をご参照ください。 ★ 羅紋硯とは? ★ 羅紋硯(らもんけん)は、中国江西省の玉山県付近で採石される硯石です。石の色は黒色を基調としており、全面に薄絹を合わせたような石紋があり、横目の細かい紋様(羅紋)が特徴です。 羅紋硯の羅紋 石質は、粘板岩の一種で、薄い板状の岩が層になっているのを、 縦割りに切り取り、硯に仕上げています。 歙州硯(きゅうじゅうけん)に似ているのですが、それと比較して、硬度が低く、磨耗も早いのですが、大量に産出されるので価格が手軽で、実用硯として人気があり、学童用や初心者用の硯として多くの方に使われています。 国内では、初心者用の硯として、この羅紋硯と、雄勝硯(玄昌石硯)が使われることが多いようです。 ★ 歙州硯にも羅紋硯がある! ★ 前述の通り、羅紋硯は、歙州硯(きゅうじゅうけん)に似ています。 歙州石は、安徽省竜尾山で産出される硯石で、この硯石は、安徽省ム源県にある、芙蓉渓一帯より産出されました。 そこには竜尾山と羅紋山があったことから、この硯石を竜尾石・ 羅紋石などとよばれています。 歙州硯も、うす絹を2枚重ねた時にあらわれる波のような模様、「羅紋」(らもん)が特徴です。 歙州硯 歙州硯の磨り味は、端渓の滑らかさと違って、鋭く豪快に実によくおり、墨色も真っ黒になり、歙州硯は、端渓硯と並び称される名硯とされています。 このように、同じようでも、歙州硯と羅紋硯では、その価値・値段に、雲泥の差があります。そこで、歙州硯で羅紋石で作られたものを「羅紋硯」、江西省の玉山の羅紋硯を「新羅紋硯」ということもあります。 ウェブサイトで調べても、どちらの羅紋硯も、「羅紋硯」と言っていることが多く、混同しがちです。どちらの羅紋硯のことを語っているのか?十分に注意する必要がありそうです。 ★ 100円ショップの硯は? ★ 100円ショップでも、硯を買うことができます。主に、中国産の羅紋硯 ですが、ダイソーでは、「国産硯」を売っています。「国産硯」とは、恐らく、宮城県雄勝町の玄昌石硯だと思いますが、もしかすると、石粉を使った成形品かもしれません。(最近、ダイソーをチェックしたところ、中国産の羅紋硯になっていました。) 本格的に書道をやるのでなければ、100円ショップの硯でも、結構いけます。侮るなかれ!(笑) (記 : 2013年11月27日)
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