ベトナム・ホーチミン市を旅行した際に買ったベトナム漆器の薬味入れとワイン立てです。
NHKの「美の壺」で、ベトナム漆器の魅力が放映されていて、興味がありましたので、2012年4月にホーチミンを訪れた際に購入しました。
ホーチミンの大きな市場であるペンタイン市場でも多く売られていますが、粗雑な品物が多いようですので、良いものを求めるとなると、ドンコイ通り辺りの、ベトナム漆器専門店に行くのが良いと思います。
私が求めた白黒の薬味入れは、匙までベトナム漆器で出来ており、1つは、べっ甲色、1つは、黒です。
緑色のワイン立ては、ワインを、刳り貫いてある穴に差し込むと、バランスして、卓上を飾ることになります。赤ワインを寝かせておくのにも良いかもしれませんね。(裏面は、黒塗りです。)
ベトナムは、戦前までフランス領だったこともあり、料理のおいしいところで、フランス料理も一般的で、滞在した2晩とも、フランス料理を堪能しました。
ベトナム漆器は、日本人になじみ深い、黒や赤以外に、緑、オレンジ、ピンクなど鮮やかな色を自由自在に用いるのがベトナム漆器の特色で、他の国には見られない漆の豊かな色づかいの品物が多くありました。
ベトナム漆器の起源は、古都・フエの宮廷で、漆が豊富に採れたベトナムでは、古くから宮殿などの建物の塗料に漆を使ってきました。
180年前に活躍した皇帝ミンマン帝が暮らした邸宅など、この時代には突然たくさんの色が登場します。伝統的な赤や金以外に、青、黄、緑などが使われるようになったのです。
1930年代のフランス植民地時代、油絵に触発された画学生たちが、漆を画材に用いるようになったことで色漆は大きな発展を遂げます。色数が増えただけではありません。漆に卵の殻や金ぱくを貼り、その上にさらに漆を塗り重ね、磨き出す新しい表現が編み出されたのです。
ベトナム漆絵の数々
独自の美を生み出したいと願った人々の創意工夫の結晶のベトナム漆器は、ベトナムの人気の高いお土産品になっています。
漆器と言えば、英語で「Japan」で、日本のお家芸だと思っていましたが、伝統に囚われない創意工夫の結晶の漆器が、ベトナムでは、人々を魅了しています。
(記 : 2012年6月14日) |