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意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

酒次、盃台、三重盃

2011年の大河ドラマ「江」の一場面の、徳川秀忠と江が、お酒を酌み交わすシーンを見て、その際に使われていた酒器セットが、無性に欲しくなり、酒次盃台三重盃を、別々に買いました。(笑)

★ 銚子 酒次 ★

鉄地の燗鍋に、漆塗りの梅花図蒔絵・銚子です。





鉄製燗鍋に漆塗りで梅花図蒔絵が施された銚子、大きさは、高さ:20cm、径:16.5cm、長さ:22cmほどです。蓋は、木製で、銚子と同じ色の漆塗りで、全体に、梅花紋の蒔絵が描かれています。

漆は、常温では、中々乾きませんが、120度以上の高温では非常に早く乾きます。それを利用したのが、鎧、兜、馬具等に使われる「焼付け法」です。この銚子も、同様の焼付け法で、色漆を焼き付け、その後に、蒔絵を施したものと思われます。

全体が、漆塗りですので、直火で使うわけにはいきませんので、直火で燗をつける燗鍋ではなく、燗をしたお酒を、この銚子に入れて、客に出したものと思われます。

また、見込みには、杓子でこさいだためと思われますが、漆の一部が剥げている部分がありますので、懐石の汁器(じゅうき)として、使われていたのかもしれません。

鉄製で、蓋が陶器のものと入れ替えが出来る銚子は、よく見かけますが、鉄地に漆を塗ったものは珍しく、珍品が手に入ったと喜んでいます。

こちらは、京漆器の老舗、「漆器のアソベ」製造の、木製、黒塗 内朱塗『銚子』です。





大きさは、高さ9p(つまみまで)、胴幅11pほどで、紙箱付きです。

木地に外側が黒漆で塗られ、内側は、おめでたい朱漆で塗られています。持ち手が金属というのも、珍しく、現代的なセンスが入った銚子になっています。

★ 盃台(杯台) ★

会津塗と思われる朱塗り、沈金鶴亀紋杯台です。



大正時代のものと思われ、沈金鶴と亀の図がデザインされています。大きさは、幅15.9×15.9cm 高さ17cm程です。縁の金塗りの部分に剥げがありますので、金漆で、直しをしてみようと思っています。盃受けの形状の特徴から、恐らく会津塗だと思います。

上等の漆塗は、下地が良いので、漆が摩耗することはあっても剥げるということはないのですが、この盃台は、「紛下地(まがいしたじ)」と言って、下地に漆を使わず、柿渋や、膠、米糊を使ったため、当たりの部分に、剥げがみられます。

これは、明治に入って、量産化に走った漆器産地にみられる特徴で、会津塗、山中塗などで見受けられます。

こちらは、春慶塗(しゅんけいぬり)の杯台です。



大きさは、幅:13cmX13cm、高さ:12.5cmほどで、共箱付きで、共箱に「昭和7年1月1日求む」と書いてあります。

購入後、80年も経っていますが、状態は良くて、木目の美しい杯台です。「春慶塗」と、箱書きがあり、特徴から、恐らく、飛騨春慶だと思います。

杯台で、春慶塗のものは、大変珍しく、初めて見ましたので、購入しました。普段使いにしたいと思っています。

★ 盃(さかづき) ★

京漆器と思われる、朱塗、三重盃です。



三重盃は、朱塗りに金蒔絵が施されていますが、何の図柄かは、よくわかりません。大きさは、直径:(大)11.5cm、(中)10.6cm、(小)9.7cmで、古い桐共箱と、ぼろぼろの共布が、時代を感じさせますね。(笑)

共布が絹であることから、少なくとも、戦前、恐らく、明治〜大正のものではないか?と思いますが、状態は良くて、箱は傷んでいますが、盃は無傷です。





盃の高台内には、「花景呂」と銘がありますが、色々と調べてみましたが、作者はわかりませんでした。ただ、お品は、大変良いもので、薄い木地を用い、入念な下地を施し、洗練された優美な蒔絵が施されたものという京漆器の特徴に合致していますので、京漆器ではないか?と思っています。



三重盃、時には、五重盃というのもありますが、年下から、小さい盃を取って、主人が、一番大きい盃で、お屠蘇をいただくのが仕来たりのようです。

★ 盆 ★

輪島塗の老舗・輪島屋善仁(ぜんに)作、洗朱・一休盆です。



 銘 : 「善仁」

大きさは、長さ:30cm、幅:20cm、高さ:1.5cmで、洗朱色(あらいしゅいろ)で塗り立てられた一休盆で、共箱付きです。少し、小さめの一休盆ですが、うさぎ小屋の我が家には、丁度良いサイズで、杯台も、春慶塗のものに合うサイズということで購入しました。

輪島屋善仁は、漆芸史上最良のものをつくることをテーマに掲げ、高品質の輪島塗を製作されており、大変、高価なものですが、最近は、お盆の需要がないようで、お買い得価格で、落札できました。

これで、不恰好ながら、屠蘇器セットの体を成しました。下のようなセットものとは、違っていて、統一性に欠けますが、「これもまた粋」ということで、納得することにします。(笑)


                    一般的な屠蘇器セット

                                               (記 : 2012年1月25日)
                                             (追記 : 2013年5月28日)

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