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寿山石の筆洗い

寿山石(じゅざんせき)で作られた筆洗い(ふであらい)です。









大きさは、長さ:12cm、幅:6cm、高さ:6.7cmほどで、筆洗いとしては、少し小さいのですが、文鎮としても使えますし、猿の表情がかわいいので、購入しました。

墨を洗った形跡がなく、筆洗いとして使われた形跡はありませんので、そうするには、水受けの部分が小さ過ぎたのか?、それとも、最初に筆を湿らせる時だけに使ったのか?どうでしょうね?

もしかすると、水盂(すいう)として、使われていたのかもしれません。(水盂は、「古銅製の水滴2点 」参照)

筆洗い(ふであらい、又はひっせん)は、、書筆の穂を洗うための容器で、筆池(ひっち)ともいいます。

寿山石(じゅざんせき)は、中国の福建省、寿山村で採掘されている石材で、約千五百年くらい前から採掘され始められました。長年の採掘により、田黄、高山凍、杜陵坑、善伯洞など、数百以上の種類の良質で美しい材が知 られており、日本へも、安価な切り石が大量に輸入されていますが、近年の産は、粗悪なものも多いようです。

主に、篆刻(てんこく)の主要な印材として利用されており、彫刻素材にも利用されています。

私の筆洗いは、「猿蟹合戦 」を題材にしているようですので、原石を輸入し、昭和時代に、日本で加工されたものではないか?と思っています。(猿蟹合戦は、日本の民話です。)

すでに、筆を使う文化が薄れてしまって、筆洗いの存在すら、知らない人が増えてきていますので、取り上げました。

筆洗いは、筆の穂を洗うための容器で、汚れやすいものですから、右のような、プラスチック製の筆洗いでも良いのでしょうが、やはり、墨床、筆置き等の道具も、ちょっと粋なものが欲しいですね。

私の筆洗いは、実用的ではありませんので、「お道具」の1つということになりますが、こんなお道具に囲まれて、拙い書道の雰囲気を味わうのも、また、粋と感じます。

★ 篆刻(てんこく)とは ★

篆刻(てんこく)とは、印章を作成する行為です。中国を起源としていて、主に篆書を印文に彫ることから篆刻といいますが、その他の書体や図章の場合もあります。

最も古い印章は、紀元前400年の戦国時代まで遡ることができ、次の秦の時代には、印章制度(印制)が整い、印章は辞令の証としての役割を持つようになっています。

日本は、今でも、印章制度を採っていますが、中国では、2000年前から、印章が重要なものだったということですね。

篆刻作品は、書画の落款(サイン)として利用されることが多く、押捺した印影自体が独立した作品であり、鑑賞の対象でもあります。

また、陶磁器を収める共箱の箱書きにも落款は使われ、本人の作品であることを示しています。

石印材は、朝鮮半島、タイ、ミャンマー、モンゴル、日本にも産しますが、産出の質、量、加工技術、流通においてもっとも主要なのは中国であり、福建省の寿山石、浙江省の青田石、昌化石、内蒙古の巴林石などが広く、安価に流通しています。

篆刻については、「篆刻(てんこく)のはなし」に、詳しくまとめましたので、そちらも、ご参照ください。
                                                (記 : 2013年6月19日)

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