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篆刻(てんこく)のはなし

篆刻(てんこく)の、初心者向けスターターキットです。







日本の伝統産業のYouTubeを、色々と見ているうちに、「篆刻入門」を見て、興味を持ち、買ってみました。

印材4本、篆刻刀、筆、印泥(いんでい)、下敷き、印箋(いんせん)などが入っています。ここで、不足しているのが、印床 (いんしょう)(篆刻台)で、こちらは、単品で買いました。





刷毛も必要ですが、こちらは、航空会社でもらった歯ブラシでOKです。そして、耐水性の紙やすり(サンドペーパー)は、100円ショップで買いました。

ほとんどのものをカバーしているのが、下のような「篆刻入門セット 」で、こちらは、ちょっとお値段は張りますが、必要なものは、ほとんど揃っています。



★ 篆刻とは ★

篆刻(てんこく)とは、印章を作成する行為です。

中国を起源としていて、主に篆書体(てんしょたい)を印 文に彫ることから篆刻といいますが、その他の書体や図章でも構いません。また金属(銅・金 など)を、鋳造して印章を作成する場合も同様に篆刻といいます。

作るものは、多くが、「落款印(らっかんいん)」で、書画や、日本画、焼き物の箱書きに、この落款が入っていると、作者が完成品と認めたことを意味しますし、作品全体の印象を引き締めます。

落款とは、「落成款識《らくせい-かんし》」の略で、「落成」が書画が完成したことを、「款識」が筆者が署名・捺印したことを示しています。「款」は陰刻、「識」は陽刻の銘を示します。作品に落款印を押すのは、自己の真実を尽くした責任の証明と、作品を引き立たせる役割があります。

★ 篆刻の歴史 ★

中国を起源とする篆刻ですが、現在確認できる最も古い印章は、紀元前403年〜秦が統一する紀元前221年までの、戦国時代まで遡ることができます。この時代の印章は古鉥(こじ)と総称され、材質は多くが銅ですが、銀や玉もみられます。臣下の関係や商品取引の保証として印章が必要とされるようになったためと思われます。

の始皇帝の時代には、印章制度印制)が整い、印章は、辞令の証としての役割を持つようになりました。

の印章制度は、国の統治制度の根幹であり、印章の差を付けて、身分制度を明確にし、国を治めました。その頃の文書は、専ら木簡に書かれ、簡牘をくくった鈕の上に粘土を加えてツ印し、開封を禁ずる封検に用いました。これを封泥といいます。

印章は、外交政策にも使われ、、後漢の光武帝が建武中元2年(57年)に、奴国からの朝賀使へ(冊封のしるしとして)賜った印がこれに相当するとされる、漢委奴国王印(かんのわのなのこくおういん、漢委奴國王印)も、そうした風習で贈られたと考えられています。

 漢委奴国王印(国宝)(出展:ウィキペデイア)

(581年〜618年)が中国を統一すると、いよいよ紙の使用が一般的となり、印章は、封泥から紙に捺して使うようになりました。このため、印文は陽刻が主流となり、サイズも大きくなりました。この官印制度は、中国では、現代においても使用されています。また、この時代に、日本へも律令制度として伝わり、今日に至っています。

代(960年 - 1279年)になり、篆刻に対する関心が芽生え、文人の教養としての書画において、印章が重要な存在となりはじめ、落款印・鑑藏印が使用されるようになりました。日本へも中国からの禅僧によって、この習慣が伝わり、室町時代以降の私印使用へと向かい、今日に至っています。

■ 篆刻で、マイ落款印を作る方法 ■

★ 篆書体をゲットする方法 ★

篆書体の文字をゲットするには、分厚い本から、探し出したり、専門のサイトから、ダウンロードする方法がありますが、ここでは、非常に簡単に欲しい篆刻体の文字をゲットする方法を紹介します。

その方法とは、シャチハタのサイトへ行ってください。希望の篆書体の文字が簡単に作れます。例えば、下の物が、私がシャチハタのサイトから、作ったものです。

 「泉浩」

このままでは、100X175ピクセルですので、正方形の印材には収まりません。そこで、これを画像処理プログラムで、100X100ピクセルに変換すると、下のようなものになります。



「らしく」なってきましたね。

★ 鏡面反転させる方法 ★

上のものが、最終的に作りたい印ですが、篆刻する際には、鏡面反転させて転写しなくてはいけません。

その作業をしてくれるのが、次のサイトで、BANNER KOUBOUへ行けば、簡単に左右反転画像処理をしてくれます。その他に、無料画像処理ソフトのGIMP(但し、中上級用です。)を使っても作ることができます。



これを、適当なサイズに、画像処理ソフトを使って、拡大・縮小させて、印面に転写すれば良いことになります。下のものが、画像処理ソフトで、サイズ変更をして、20o角用にしたものです。

 20oX20o「泉浩」

★ 印面に転写する方法 ★

正しいやり方は、黒墨を塗った印面に、朱墨で、上記の反転文字を手描きで写す のですが、初心者では、中々うまくいきませんよね。

そこで、私は、次の方法をお勧めします。

 @ 上の画像を、印材の大きさに合わせてコピーします。

 A トレーシングペーパーを使って、鉛筆かシャープペンで、写し書きします。

 B サンドペーパーで平滑にした印面に、印泥を付けたあと、ティッシューで軽く拭き取ります。

 C 印泥のついた印面に、写し書きしたトレーシングペーパーをセットし、爪で擦ります。

 D 印泥が乾ききらないうちに、トレーシングペーパーを剥がします。

そうすると、正式のやり方とは、全く逆の、朱色の印面に、黒の文字が出てくることになります。

うまく転写されていない場合には、黒墨で、補正をします。

このやり方は、道刃物工業さんのHPに映像で紹介されていますので、ご参照ください。(「てん刻の作り方@ 」参照)

★ マジック転写法 ★

転写の方法で、初心者向けに開発された方法があります。マジックインキを使った方法で、かなり有効のようです。「てん刻E トナー転写法」に、わかりやすく説明してありますので、ご参照ください。

鏡面反転をさせる必要もなく、超簡単に転写ができますので、楽ですね。

尚、マジックインキは、「寺西化学 マジックインキ 大 黄 」でないと、うまく出来ないようです。

           

★ 印面を平滑にする方法 ★

印面を平滑にする方法ですが、上級者であれば、YouTubeの映像「書道基礎講座『篆刻』」のようにすれば、良いのでしょうが、初心者には、下の写真のように、印材を、印床で掴んで、約0.5oほど出し、印床ごと、擦ると、真っ平らな面を作ることができます。

 印床(ダイス)を使う

★ 刻印の方法 ★

印材に篆刻刀で彫る刻印のやり方 は、文章で説明しても、わかりにくいものですよね。

YouTubeに、大変詳しく説明してある映像がありますので、ご参照ください。−「篆刻入門

 刻印の様子

刻印に使う篆刻刀(てんこくとう)ですが、平型、印刀型、サラエなどがありますが、上級者は、平型だけを使っておられますので、6mm幅程度の平型篆刻刀が1本あれば、良いようです。

     超硬合金篆刻刀 5o幅 (道刃物工業製)

最後に、側款(そっかん)といって、印の左側面に署名と製年月日を刻ってみると、世界に1つだけのマイ落款印の完成です。

★ 落款印は、どこに押せばいいの? ★

日本で、書に落款を入れることが定着したのは、近代になってからで、落款には、本名や、雅号が使われます。

印の種類には、文字の部分を彫りくぼめてある「白印(はくいん)」と、文字が朱色で現れる「朱印(しゅいん)」の2種類があります。



白印を正式とする伝統があり、本名は白印で、雅号は朱印で作るのが原則になっています。

作者の名前の下に、上側に姓名印である白印を、下側に雅号印である朱印を押すのが原則です。

また、作品の始まりを示す、「引首印(いんしゅいん)」又は、「関防印(かんぼういん)」と呼ばれるものもあります。

一般的に、白印で、長方形のものが多いようです。

書画の作品には、三顆対印(さんかついいん)といって、姓名印、雅号印、引首印1組を押すのが正式とされていますが、最近の作品には、雅号印のみのものも多く、また、位置も決まった場所ばかりにあるわけではなく、作家の感性に任されているようです。

★ 落款印は、作品を引き立たせる? ★

私の拙い習字で、「落款印なし」と「落款印あり」を比べてみてください。

  

落款印が入るだけで、それらしく見えるのが不思議です。(笑) 落款印に、作品を引き立たせる効果があるのが、わかりますね。

★ 落款印の使い方 ★

落款印は、朱の印泥(いんでい)をつけて押します。

印泥は、もぐさと油、珠砂で出来ています。使う時には、良く練られたものを使う必要がありますが、直前に練ると熱を帯びて、良くないので、使った後に、へらで、きちんと練っておくことが大切です。

印泥は、右の写真のように、混ぜ終えて、丸い状態にしてから、印に印泥をつけるようにします。

YouTubeに、「印泥の使い方・練り方」がありますので、ご参照ください。

次に、印を押す際には、四隅まで丁寧に印泥をつけて、しっかり押さえて押すようにし、ゆっくり離すようにします。

印矩(いんく)と呼ばれる、直角定規を用いて押すと、上手に押すことができます。

また、印影が薄いところがあった場合でも、印矩を動かしていなければ、2度押しも可能です。

落款印を使用後は、印泥をきれいに拭き取ってから、しまってください。

★ 印泥にも色の違いがある ★

印泥って、どれも皆同じ朱色をしていると思っていませんか?

同じ朱色でも、明るい朱色、濃い目の赤色、黄色っぽく鮮やかな朱色等々があります。ですが、特に、どの色でなくてはいけないとかということはなく、作家の好みで選んで構わないそうです。

落款印を同じ印泥ではなく、白印は、濃い赤で、朱印は、明るい朱色でといった、2種類の印泥を使った作品も見受けられますので、作品のバランスを考えて、色を選ぶのもいいでしょうね。





上の印泥は、私が選んだものですが、西冷印社製の「青花古色印泥」の三十克装です。「古色」というのは、「古めかしい色合い」という意味で、熟女がしている口紅のような、濃い赤色をしています。(笑)

「三十克装」というのは、30グラムのことで、「一両装」と表記されていることもあります。次のサイズは、「二両装」で、30グラム単位になっていることが多いようです。

日本でよく見かける西冷印社製の印泥は、「光明(こうみょう)」,「美麗(びれい)」,「箭鏃(せんぞく)」の3種類が多いようで、値段もこの順番に高くなります。

ただ、値段の差は、企業秘密らしいですので、販売戦略の可能性もありますね。(笑)

印泥は、朱砂、モグサなどを、ひまし油などの油で練り合わせたものですので、少し時間が経つと、油と朱砂が分離してしまいます。時々、ヘラで混ぜ合わせてくださいね。

★ 落款印は、どのくらいの大きさのものがいいの? ★

印材のサイズは、日本基準と、中国基準のものがありますが、日本で売られているものは、ほとんどが、日本基準です。

用途に合わせて色々なサイズのものがありますが、一般的に、葉書き、短冊には、9mm角、色紙、半紙には、12mm角、半切りには、18mm、21mm角が良いようです。

★ 篆刻印の素材 ★

篆刻に用いる主要な印材はですが、金属、竹、骨、牙、角、植物の種子等も用いられます。

印材とされる鉱物としては、葉蠟石 (ようろうせき)が一般的で、モース硬度3.5ほどの比較的柔らかい鉱物であり、特別の技術を要さず容易に加工ができる特徴があります。

これらの石印材は、朝鮮半島、タイ、ミャンマー、モンゴル、日本にも産しますが、産出の質、量、加工技術、流通においてもっとも主要なのは中国 で、日本で流通しているものも、ほとんどが中国産で、福建省の寿山石、浙江省の青田石昌化石、内蒙古の巴林石などが広く安価に流通しています。

中国印石三宝である、田黄(寿山石の一つ)、芙蓉(寿山石の一つ)、鶏血石(昌化石の一つ)の素材は、美麗かつ稀少で、非常に高価であり、軟宝石と称されることもあります。

 

 

鶏血石(けいけつせき)

田黄石(でんおうせき)


こちらは、安価な青田石(せいでんせき)の印材で、私が手に入れたものです。  

  青田石の印材

中国、浙江省産出の青田石(せいでんせき)の印材で、大きさは、30o角、高さ:62oです。ネットオークションで、なんと10円でした。しかし・・・・30mm角の印材・・・・・大作用ですが、私にそんな作品ができるのでしょうか?(笑)

★ 印袴の作り方 ★

落款印ができると、保護カバーが欲しくなるものです。

方法は、2つで、1つは、印袴(いんばかま)を作るで、2つ目は、ポーチや布袋に入れるという方法ですが、印袴は、簡単にできるようですので、作ってみるのもいいですね。

印袴の作り方は、CUTE-Zakka.jpというサイトに詳しく書かれていますので、ご参照ください。また、YouTubeの「篆刻入門」でも、最後のところで触れられていますので、ご参照ください。

印袴を作るキットも、安く販売されていますので、数が少なければ、こちらの方が効果的かもしれませんね。幾つかあるようですが、石印キャップ作り がオススメかな?

   石印キャップ作りセット

追記 :

篆刻に、初挑戦してみました。「篆刻に初挑戦!」をご参照ください。
                                                (記 : 2013年8月23日)

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