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雨宮峯硯(あめみや ほうけん)(正廣)作・雨畑硯(あまはたすずり)です。 大きさは、全長:19cm 幅:8〜9.5cm 高さ:2〜2.4cm 重さ:650gほどで、「雨畑真石」、「峯硯刻」と刻印がありますので、雨宮峯硯作の雨畑真石硯で、自然の形を生かした野面硯(のめんけん)です。 早速、墨をおろしてみましたが、墨のおりが良い硯だなという実感がありました。 雨畑硯(あまはたすずり)は、山梨県南巨摩郡早川町の原石を使って、早川町・旧鰍沢町(かじかざわちょう)・他の町で製造されている硯で、今から320年以上前の1690年(元禄3年)、雨宮孫右衛門が身延山への参詣の途中、富士川支流、早川河原にて黒一色の石を発見し、これを硯にしたことが始まりだと言われています。 現在では、上記の起源が一般的になっていますが、 今から700年前の永仁5年(1297年)に、日蓮の弟子である日朗が七面山を開く 際、早川支流の雨畑川で蒼黒色の石を発見し、この石で良質の硯が作れると伝えたのが始まりとされている説もあります。 1784年(天明4年)、四代雨宮要蔵が、将軍徳川家治に献上したことからその名が広く知られるようになり、雨畑硯は、多くの書道家に愛されてきました。 原石は、「雨畑真石」と呼ばれる黒色粘板岩で、きめ細やかで適度な硬さが特徴です。早川町を縦貫する大地溝(フォッサマグナ)が擦れ合ってでき、雨畑地区の一部の山だけに鉱脈として存在しています。色は深みのある黒が多く、粒子が細かく墨のおり、墨色良く、水持ちも良いすずりに最適な石とされています。 「真石」とあるのは、上記の雨畑真石ではなく、別の地域の玄昌石を使って、この地域で硯が作られたことがあり、区別するために、雨畑地区で採れた石を、「真石」と表示するようになったようです。 和硯の中では、評価の高い硯で、和硯のランキングでも上位にあります。(「和硯(わけん)いろいろ 」参照) 坑道入口 坑道内原石 取り出した原石 現在の雨畑硯の生産地は、早川町雨畑地区では、工房は「硯匠庵」1件のみとなっていて、職人も1人のみと、後継者不足に悩まされています。一方、富士川町の旧鰍沢町 ・他でも同じ岩石・製法で雨畑硯が作られており、こちらでは加工業組合も結成されているほか、数件の工房と数人の職人で生産しています。 ■ 甲州雨畑硯製造加工業組合 ■ ★ 硯匠 紹介 ★ 雨宮 峯硯 (あめみや ほうけん) 本名:正広 1956年生まれ 2009年 厚生労働大臣より「現代の名工」に認定 峯硯堂本舗 代表 峯硯堂本舗 雨畑硯もまた、書道文化の低迷により、衰退を余儀なくされています。良い硯が手に入ったと思いますので、これからも、大切にしたいと思っていますが、使ってこそ、その価値が出るものですので、拙い素人のお習字程度ですが、使って楽しみたいと思っています。 (記 : 2013年10月29日)
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