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但馬焼 楽々浦窯作のフリーカップ

但馬焼(たじまやき) 楽々浦窯(ささうらかま)製のもみじ紋フリーカップです。

但馬焼







 「但馬」の印

但馬焼の特徴である、もみじを使って、模様を付けているフリーカップで、高さ:73mm、径:96mmで、「但馬」の印が入っています。作風から、恐らく、小田垣かすみさんの作品だと思います。

山根毅さん但馬焼(たじまやき)は、兵庫県豊岡市城崎町で焼かれている焼き物で、1976年(昭和51年)に、山根毅(やまね つよし)さんが、城崎町楽々浦(ささうら)に、登り窯より古い形式の穴窯で、楽々浦窯(ささうらかま)を開いたのがはじまりです。「但馬焼」の名は、当時の城崎町長に「この地に根づく焼き物に」との思いを込めて名付けてもらったそうです。

山根さんは、日高町出身で、38歳のとき、約20年間務めた小学校教諭を辞めて陶芸の道に転身し、同時に姪の小田垣かすみさん(52)も、高校卒業後、楽々浦窯で、陶芸活動に入りました。

小田垣かすみさん2003年7月、病気で山根毅さん(当時(71))が、亡くなった後、小田垣かすみさんが、後継者となって、女性の陶芸家が作るやわらかく優しい雰囲気を持った食器や花瓶等の作陶を続けています。

但馬焼は、素朴で、そして温かみのあり、草や葉などを使ってシルエットをつける自然を活かした素朴さが特徴で、土の香りがしてきそうな陶器です。


楽々浦窯
                       楽々浦窯


                    楽々浦窯の穴窯


                        展示室

山根田鶴さん故・山根毅さん=当時(71)=の作品や文書などを集めた本、「新しい古窯(こよう)」が、山根さんの妻、田鶴さん(74)らの手で出版されました。自作の古窯で焼いた素朴な壷(つぼ)や花瓶のカラー写真に加え、書きためられた詩や文章も紹介されています。

詩や俳句、書にもたけていた山根さん。詩集「箴言(しんげん)」は、大学ノートに書かれていたものを田鶴さんが山根さんの死後見つけ、掲載しました。「僕は雑草だ。いつのまにか 花をさかせていたり 実っていたり 冬枯れしていたり 芽をふいたり 満ち足りていて 静かなだけだ。僕は雑草だ。だから はり切っています」・・・・・
  
           新しい古窯―但馬焼山根毅作品集  

楽々浦窯では、陶芸体験が、人気のようで、近くの城崎温泉からも、コースとして、観光客の方々が、来られているようです。ここでも、草や葉などを使って模様をつけるものが人気で、下のようなものが焼き上がると、後日、送ってもらえるようです。

 
           焼きあがり前                           焼き上がり後

陶芸としては、初歩的なものですが、自分で作ったものは、愛着があっていいものですよね。
                                                (記 : 2012年2月8日)

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