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武雄古唐津焼、小田志・規窯(こたじ ただしがま).、井上規(いのうえ ただし)作・三島唐津の花瓶です。 大きさは、高さ約170ミリ 径約100ミリほどで、共箱付きです。 小田志・規窯は、佐賀県武雄市西川登町小田志にあり、李朝陶磁の素朴な美しさ、力強さを、粉引き・掻き落とし・刷毛目・象嵌などの技法で、現代生活に潤いをもたらす器作りを、心がけて製作されておられ、井上規(いのうえ ただし)さんと、ご子息の井上浩一さんで、朝鮮古陶磁の再現を目指している窯です。 この花瓶は、唐津焼の色々な技法のうち、象嵌技法を使って作られた、「三島唐津」(みしまからつ)と呼ばれているものです。 三島唐津は、朝鮮の陶器、三島手の技法を受け継ぎ、日本風にアレンジしたものです。器が生乾きのうちに雲鶴や印花紋などの紋様を施し、化粧土を塗って、仕上げ作業を施し、その上に長石釉、木炭釉を掛けて焼成したものです。 この花瓶は、朝鮮古陶磁の再現を目指している井上さんらしい作品だと思います。 上記の作品は、ご子息の井上浩一さんの作品ですが、掻き落としの作品が多いように思います。 武雄古唐津焼(たけお こがらつやき)は、約400年前の、慶長の役で、第20代武雄領主・後藤家信に、朝鮮半島から同行した、陶工深海宗伝(ふかうみそうでん)が、一族とともに、武内町内田周辺に窯を築いたのが始まりといわれています。 現在、その流れを受けた20の窯元が、武雄市内に点在しており、その技術・技法を継承して、昭和63年6月には、通商産業省の伝統工芸品の指定を受けました。今も、茶器、食器、置物などの製品として広く、民衆の生活の中に溶け込んでおり、素朴で温かみのある落ち着いた 色調が魅力的です。一方で、伝統を守りながらも、現代風の陶板を作るなど、新しい武雄古唐津焼の発展が期待されています。 武雄古唐津焼は、唐津焼の分派とされていますが、唐津焼が、明治維新以降、急速に衰退して、多くの窯が廃窯になり、伝統の手法の継承が途切れ、中里無庵により、再興されたのに比べて、途切れることなく、朝鮮古陶磁の伝統を継承しています。 武雄古唐津焼の窯元は、こちらのホームページをご参照ください。 ★ 作家 プロフィール ★ (写真は、浩一さんです。) 井上 規 (いのうえ ただし) 大正8年生まれ 井上 浩一 (いのうえ こういち) 昭和28年7月24日生まれ 福岡大学法学部卒業後、父の家業を継ぐ。 父、規(ただし)に師事。 2012年廃業?(記事参照) (記 : 2012年9月17日)
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