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川副青山作・伊万里焼のぐい呑み

川副青山(かわぞえせいざん)作、伊万里鍋島焼(いまりなべしまやき)のぐい呑みです。









大きさは、径:9cm、高さ:3cmで、共箱、栞付きです。

伊万里焼らしくない作品ですが、川副青山窯で取り組んでいる、青磁釉に、辰砂釉を上掛けして焼いたもので、窯変の見事なものです。

川副青山窯は、佐賀県伊万里市大川内山にある窯元で、元禄12年、遠祖川副内蔵助に始まり、代々鍋島の由緒ある伝統を守り続けており、当代の窯主の川副史郎さんは、5代目になります。栞にもありますように、「伊万里鍋島焼窯元」ということで、鍋島焼の色絵や、青磁を得意とする窯元で、特に、我が国唯一の大川内正産出する天然青磁石による翡翠の如き鍋島青磁の作品は、他の追随を許さないといわれています。

私のぐい呑み(盃)は、そういった伝統からは、ちょっと外れたもので、当代は、好奇心が強いのでしょうか?このような辰砂釉を使った窯変の作品にも挑戦されているようです。



伊万里鍋島焼(いまりなべしまやき)は、通称、鍋島焼と言われ、1675年に鍋島藩の御用窯が、大川内山へ移され、少人数による生産により、門外不出の技術で、将軍や諸大名への献上品等の高級品を作ってきました。

廃藩置県により、藩窯が廃止され、途絶えましたが、1877年に精功社を設立して、復興しています。また、色鍋島様式の技法は、有田焼の今泉今右衛門家によって、復興・継承されています。

伊万里鍋島焼の里は、人里離れた場所にあったため、その昔の姿を今に伝えており、秘窯の里、「大川内鍋島藩窯跡」として、国の史跡として、登録されています。

伊万里焼(いまりやき)は、一般的には、佐賀県有田を中心とする肥前国で生産された磁器の総称で、製品の主な積み出し港が伊万里であったことから、消費地では「伊万里焼」と呼ばれていますが、伊万里鍋島焼は、一般に流通することのない高級品を作っていたことから、広義の意味での伊万里焼からは、外れています。

鍋島焼は、白磁に淡緑・淡黄・赤の三色で絵付けをした「色鍋島」、大川内山で採れる青磁原石を100%使用して釉薬(うわぐすり)に用いる「鍋島青磁」、白磁に絵付けをせず染付けだけで描く「鍋島染付け」の3つが、特徴的で、いずれも、完成度の高い、高級品となっています。

 色鍋島(今右衛門窯)

 鍋島青磁(江戸期)

                                                (記 : 2013年4月30日)

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