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山岡三秋(みあき)作、こぶ志焼の釉裏紅志野・茶入れです。 大きさは、径:68mm、、高さ:75mmほどの釉裏紅志野 の茶入れで、共箱、栞付きです。 こぶ志焼と言えば、海鼠釉と、辰砂釉の作品が多いのですが、この作品には、箱書きに「釉裏紅志野」とあり、志野釉の下に、銅を含む絵具によって、ちょん、ちょん、ちょんと点を描いてアクセントを付けたものということだと思います。 尚、還元炎焼成によって赤く発色する銅の性質を利用して、透明釉の中に呈色剤として銅を含ませて赤い釉薬として用いたものを「辰砂釉」、 そして、透明釉の下に銅を含む絵具によって文様をあらわしたものを「釉裏紅」と呼びます。 山岡三秋さんは、1997年にすでにお亡くなりになっていますし、こぶ志焼では、あまり見掛けない茶入れが手に入ったということで、大切にしたいと思っています。 ★ こぶ志焼とは ★ こぶ志焼とは、北海道岩見沢市で焼かれているやきもので、戦後間もない1946年に、満州から引き揚げてきた山岡三秋(やまおか みあき)さんによって、開かれました。 北海道空知(そらち)地方の山野には、桜とともに、北国に春の到来を告げる辛夷(こぶし)が咲くことが多いことから、「こぶ志窯」と名付けられ、今では、こぶ志焼として、やきもの不毛の地・北海道の代表的なやきものとなっています。 「北海道のやきもの」ということにこだわり、陶土や釉薬など、原材料は、すべて北海道内で調達し、火山灰を主として作る「なまこ柚」が特徴的で、灰釉に銅を混ぜる「辰砂釉」と共に、代表的な釉薬になっています。 作品は、重厚で素朴な味わいが特色の、一般日常食器や花器が多く、多くの人に愛用され好評です。 なまこ釉と辰砂釉 1997年に、山岡三秋さんが、92歳でお亡くなりになられてからは、ご子息達の憬(さとり)さんと、雅秋さんが後を継がれ、現在は、2代目憬さんが、息子さんの3代目千秋(ちあき)さんと共に、作陶に励んでおられます。 1988年には、こぶ志陶芸館を開設し、2000年には、下の写真のような立派な工房も新築して、山岡三秋さんの作品が展示されている他、資料を集めた図書室や工房などがあり、作陶体験の教室も開かれていて、岩見沢の観光名所にもなっています。(画像出典:北海道Likers) 外観 展示室 ★ 作家 プロフィール ★ 山岡 三秋(みあき) 1904年 三重県に生まれる 1946年 北海道岩見沢に定着、こぶ志窯を開く 1967年 岩見沢市教育振興功労賞受賞 1972年 北海道文化奨励賞、岩見沢市政功労賞受賞 1978年 岩見沢無形文化財保持者に認定される。 1989年 北海道内各地で個展を開催する(東京都内、アメリカで2回開催する)。 1997年 永眠(92歳) (記 : 2014年5月30日)
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