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北海道旭川市にある、大雪窯(たいせつかま)のなまこ釉・小鉢です。 大きさは、径:12.5cm、高さ:5.7cmほどの、なまこ釉の小鉢です。「大雪」の陶印が入っています。 北海道は、陶土に恵まれなかったり、厳しい冬の寒さや積雪で、やきもの不毛の土地と言われていましたが、昭和30年頃から、灯油、ガス、電気を燃料とする窯が登場し、交通手段も発達したことから、やきものが発展し始めました。 この作品を生み出した大雪窯も、戦後の窯元ですが、北海道を意識した作品を、手掛けられているようですね。北の地方の作品には、こういった海鼠釉のものが多いように思います。自然に入った貫入もきれいですし、酒の摘みを盛るのに良さそうな小鉢です。気軽に、普段使いしたいと思っています。 ★ 大雪窯 ★ 大雪窯(たいせつかま)は、昭和20年に、北海道旭川市で、初代坂東陶光が、開窯したもので、大雪山の奥、層雲峡・天人峡の陶土を使い、雪結晶を表した茶器・壺など、北海道の自然をテーマに焼かれていました。 現在の北海道旭川市旭岡にある、「嵐山陶芸の里」には、1970年(昭和45年)に窯を開いています。昭和55年に初代陶光は、窯を子息の坂東豊光に譲り、自らは、雪炎窯を、北海道夕張郡長沼町に開きました。 現在は、2代目窯元豊光・3代目光太郎の父子が作陶を行っています。 大雪窯の作品には、さまざまな作風のものがありますが、どの作品にも北海道の大自然と四季の移り変わりをイメージした基軸が貫徹しています。 これら北海道の風景を描いた器や、初代から受け継いでいる結晶釉などは、大雪窯の伝統的な特徴となっています。 大雪窯独特の結晶釉の作品 大雪窯 展示室 尚、旭川市を見下ろせる旭岡という住所の住宅地の一角にある、「嵐山陶芸の里」には、大雪窯だけでなく、ちひろ窯をはじめ、幾つかの窯元があり、ガラス工房や、染色工房なども入ってきて、芸術家村的な様相を呈するようになり、レストランやカフェも増え、庭園の見事な景観を求めて訪れる人たちも年々増加しました。 ちひろ窯 そういった発展の下に、名称を「北の嵐山」と改め、ものづくりの文化と美しい暮らしが共存する里として新たな一歩を踏み出しています。 (記 : 2014年8月9日) 追記 : 2代目坂東豊光(ばんどうとよみつ)作、大雪窯結晶釉ぐい呑みです。 大きさは、口径:5.8cm、高さ:5.4cmほどで、四方桟共箱、栞付きです。高台内に、呉須で「大雪窯」と書かれており、共箱に、「豊光」とあります。 ダイヤモンドダストというか、雪の結晶を表現した釉薬で焼かれていて、冷や酒が進みそうで、困っちゃいますね。(笑) 大雪窯の代表的なぐい呑みが手に入って、喜んでいます。 ★ 陶工 プロフィール ★ 2代目 坂東豊光 (ばんどう とよみつ) 1947年 旭川に生まれる 1968年 茨城県窯業指導所(笠間市)研究生として入所。 1970年 初代陶光が、大雪窯を開く。帰郷。 1978年 大雪窯を受け継ぎ、2代目となる。 1983年 雪結晶を発表。 1988年 日展に入選。以後入選多数。 2002年 日展会友となる。 (追記 : 2014年12月13日)
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