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肥前朱山窯作・磁器三彩の水滴

肥前朱山窯作・磁器三彩水滴です。











大きさは、幅:5.3cm、長さ:7.3cm、高さ:2.4cmほどの磁器三彩の水滴で、共箱、栞付きです。

白地の磁器に、「緑」、「黄」、「褐(茶)」の色釉を掛けて、「三彩 」としています。

裏面には、「朱山作」と銘があり、共箱にも「朱山作」と入っているのですが、作者について、ネットで調べても、中々、出てきません。

恐らく、波佐見焼の系統だと思いますが、お品は、ネット上でも、結構、見受けられますので、それほど珍しいものではないのかもしれません。



栞は、2枚あり、上の栞の説明も、明快なのですが、「朱山」なるものが、誰なのか?については、わかりませんでした。

これは、波佐見焼が、完全分業制で、作られていることと関連しているように思います。所謂、窯元と呼ばれる窯元がなくて、漆器の製造と同じように、成形する人、焼く人、彩色をする人、本焼きをして出荷する人が分かれているので、作者の名が入っていないのでは?と思われます。

肥前には、「長与三彩」という、江戸時代中期、長与窯で焼かれていた、幻の焼き物がありますが、長与三彩よりは、奈良三彩を意識したデザインのように思われます。

 長与三彩

★ 三彩とは ★

三彩(さんさい)とは、陶磁器の加飾法の一つで、その加飾された陶磁器をも指すことがあります。三彩は、三色で彩られることを意味しますが、釉色の数にはかかわらず、一つの器に2種類以上の色釉がほどこされたはなやかな陶磁器をさします。

この色釉は、鉛を溶媒剤に使った鉛釉を基礎釉とし、他の釉の掛け合わせは原則として三彩とは呼びません。白地透明釉、藍釉、緑釉、褐釉などが代表的な色釉です。 

奈良三彩は、奈良時代から平安時代にかけて焼かれ た低火度の鉛釉瓷で、緑・白・褐の三彩釉陶器で、日本最古の施釉陶器といわれています。

 奈良三彩

唐三彩は、中国唐代に作られた軟質陶器で、緑・白・黄・茶・赤などのうち,三色の取り合わせで彩色されている場合が多いので、「三彩」といいます。各種容器のほか,男女人物像などがあります。奈良三彩はこの手法が伝来したものといわれています。

 唐三彩

長崎には、「長崎三彩」と呼ばれる焼きものがあります。ペルシャ三彩と、長与三彩を意識した三彩で、1956年、江口洋(号:望洋)さんによって、開かれました。現在は、長崎県大村市の「三彩の里」にある秀山窯と、壱岐島の壱州窯で焼かれており、2代秀山没後は、息子さんの司(つかさ)さんが、3代秀山として、継承しています。

 長崎三彩

また、薩摩焼の1つの、龍門司焼(りゅうもんじやき)も、三彩を得意とされていますので、「龍門司焼の一輪挿し」をご参照ください。

 龍門司焼

                                               (記 : 2014年8月10日)

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