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犬山焼の茶碗とぐい呑み

大澤久次郎陶苑(松皮窯)・3代目大澤久一作、犬山焼(いぬやまやき)の呉洲風赤絵茶碗です。













 「犬山久一」

大きさは、径:10.5cm、高台径:7cm、高さ:9cmほどの、呉須赤絵風の抹茶碗で、「犬山 久一」の陶印があります。(ニュウが1本入っています。)

大澤久次郎陶苑は、明治中期に創業し、現在四代目の大澤富男さんが、窯を継承されていますが、この茶碗は、当代の1代前の3代目久一さんの作品で、恐らく戦後〜昭和後期の時代のものと思われます。

犬山焼と言えば、天保7年に始まったとされる「雲錦手」と言われる桜の花と、楓の葉文様、それ以前に始まっていた呉洲風の赤絵、天保6年、道平によって確立された犬山八景等の文様の染付け等々が親しまれていますが、大澤久次郎陶苑では、二代目久次郎の発案し、三代目久一の研究改良によってできた、釉薬を  かいらぎ状にして、松皮にみせる松皮陶器も特徴的です。

 松皮陶器

犬山焼(いぬやまやき)の歴史や特徴につきましては、「犬山焼の雲錦手・四方飾り皿」に、解説がありますので、そちらをご参照ください。

実は 、かなり前に呉須赤絵のぐい呑み を買っていたのですが、素性がわからず、取り上げていませんでしたが、今回、この茶碗に出会って、お品が、犬山焼であると思えるようになりましたので、こちらもアップしたいと思います。

犬山焼と思われる呉洲風赤絵ぐい呑みです。











大きさは、径:7.5cm、高さ:4.5cmほどで、古い合わせ箱付きで、時代がありそうです。

貫入の具合から、ベトナムの安南赤絵 かな?とも思ったのですが、今回の茶碗の文様をみて、紋様のタッチが似ていますので、恐らく、明治期の同じ窯で焼かれた犬山焼なのでは?というように、今は思っています。

明治時代は、富国強兵で費やした、膨大な軍事費を賄うために、海外輸出に力を入れた時代で、欧米では、中国ものや、日本の薩摩焼風の焼き物が人気で、京都の粟田では、京薩摩と言われる焼き物が焼かれて、大量に輸出されていますし、この犬山焼も、輸出に力を入れた頃の明治末期のものでは?と思っています。

いいものだと思って買ったのですが、中々、紹介する機会がなくて、ようやく日の目を見たという感じでしょうか?(笑)

                                                (記 : 2015年2月9日)

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