佐藤和次(さとうかずじ)さんは、岐阜県
多治見市で活躍中の作家で、美濃焼でも、
織部が得意の作家です。
特に、魯山人の影響を受けた「蟹」絵は、氏の定番中の定番となっています。このぐい呑みは、志野蟹文ぐい呑みで、織部ではありませんが、豪快さを思わせる
独特の志野です。
大きさは、口径7.2p 高5.7p程で、共箱、共布付きのお品です。
実は、下の織部蟹文ぐい呑みも、同じ頃、出品されていたのですが、こちらは、うまくゲット出来ませんでした。
志野で、緋色になる部分に、蟹文を描くのは、自然に発色したものではないので、ちょっと違和感もありましたが、佐藤和次さんの十八番ですので、これもありかな?と思い、購入しました。まぁ、備前焼の火襷も、最近は、出来上がりの模様を狙って藁を巻いていますので、同じようなものですね。(笑)
志野にしては、ちょっと珍しいお品ですので、大切にしたいと思います。
【作家 プロフィール】
佐藤 和次 (さとう かずじ)
1948年岐阜県生まれ
1967年岐阜県立多治見工業高校卒業
1970年林孝太郎に師事
1978年独立し、「早蕨窯」を開窯
朝日陶芸展、岐阜県美術展、中国国際陶芸展、日本新工芸展などに入選
美濃陶磁協会参事
(追記 : 2010年9月13日)
追記 3:
美濃古染付(みのこそめつけ)を継承する、吉川修身(よしかわ おさみ)作の古染付盃です。
白くなめらかな器の肌に、真っ青な呉須の線が、跳躍するように走り、ウサギや千鳥、ギフチョウなどのモチーフを生き生きと描き出すのが、古来、美濃の地で焼かれた美濃古染付ですが、その伝統を継承し、発展させている吉川修身さんの作品です。
大きさは、直径 約75mm 高さ 約45mm 底径 約32mm
で、共箱、栞付きです。
近代以降、美濃の染付は志野や織部などに比べると、一段低く見られていましたが、吉川さんは、絵唐津にも似た、伸びやかな筆の使い方で、次々と賞を受賞し、その地位を高めています。
それも、そのはずで、19歳の時には雪の沼沢を描いた油絵で日展に入選したほどの腕前で、画力は一級品です。
私の盃も、麦の様子が、生き生きと描かれており、良いものが手に入ったと、大変喜んでいます。
作陶中の吉川さん
■ 作家プロフィール ■
吉川 修身 (よしかわ おさみ)
1937年 美濃古染代々の圓荘窯に生まれる。
1955年 東光展入選。以後10回。
1956年 日展洋画入選。
1977年 日本伝統工芸展入選。以後20回入選。
日本陶芸展入選。東海伝統工芸展入賞。国際陶芸展85金賞。国際フェスティバル3回入選。金沢工芸展招待出品。大阪花博政府苑文化庁招待出品。東海伝統工芸展招待出品。
日本工芸会正会員。
美濃陶芸協会会員。
日本簒刻会常任委員。
日本書芸院一科会員。
多治見市美術展審査員。
岐阜県多治見市在住。
(追記 : 2011年6月21日)