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美濃焼の織部角皿

これは、2006年に、地元で開かれた、「骨董&アンティークin廣島 」で買った織部焼きの角皿です。







大きさは、24cm角程度の角皿ですが、中は、円形になっていて、白を基調にしていますので、真ん中に食べ物を盛ると映える皿です。

株主優待で送ってきたじゃがいも3種を載せてみました。白地の残りが少ないので、詰め過ぎですが、中々マッチしていると思います。

買った時に、普段使いにしようと思っていましたので、作者の名前を聞くことをしていなかったので、誰の作品
なのかは、わからないのですが、ちゃんとした、陶印が入っていますし、幾つかのお皿から選んだのですが、2つとして同じものがありませんでしたので、手作りで、作家物なのでは?と思っています。



織部釉は、独特の緑の発色がきれいで、酸化、還元で色が変わってきます。

白地部分には、鉄粉で模様を付けて、透明釉を掛けています。

お皿を、ちょっと工夫することで、盛られる品物が、高貴な感じになってくるのが、不思議です。北大路魯山人が、料理を美しく見せる為に、自分で、焼き物を焼いたというのも、うなずけますね。

さて、美濃焼(みのやき)について、少し、まとめておきます。

美濃焼」とは、岐阜県美濃地方の東部、東濃地方といわれる地域の西端をしめる、多治見市・土岐市・瑞浪市・笠原町で生産されるやきものの総称を言います。

美濃焼は、一時、瀬戸焼に吸収されていた時代があり、瀬戸焼と同じような道を歩んできました。しかし、今では、和食器の全国生産の60%以上を生産する陶磁器の生産地になっています。

美濃焼と言えば、「黄瀬戸・志野・織部・瀬戸黒」等といった、桃山時代に作り出された、「美濃桃山陶」とも呼ばれる陶器が有名ですが、中でも武将でもあり茶人でもあった古田織部(1543年 - 1615年)が創意工夫を凝らした「織部好み」は有名です。

昭和に入って、荒川豊蔵(人間国宝)によって、美濃桃山陶が、復興され、美濃焼は隆盛をみています。

 荒川豊蔵氏
                                              (記 : 2008年5月1日)

追記 1:

荒川豊蔵が、「美濃焼の伝統を生かしながら普及品も提供したい」との思いで、昭和二十二年の秋、岐阜県多治見市虎渓山の永保寺が所有する山林を借り受けて、水月窯を開きました。その水月窯で焼かれた紅白梅図徳利を、入手しました。



また、一味違う美濃焼で、「虎渓山 水月窯作・紅白梅徳利」を、ご参照ください。
                                            (追記 ; 2010年8月14日)

追記 2:

美濃焼(みのやき)の佐藤和次(さとうかずじ)作・志野蟹文ぐい呑みです。









佐藤和次(さとうかずじ)さんは、岐阜県多治見市で活躍中の作家で、美濃焼でも、織部が得意の作家です。特に、魯山人の影響を受けた「蟹」絵は、氏の定番中の定番となっています。このぐい呑みは、志野蟹文ぐい呑みで、織部ではありませんが、豪快さを思わせる独特の志野です。

大きさは、口径7.2p 高5.7p程で、共箱、共布付きのお品です。

実は、下の織部蟹文ぐい呑みも、同じ頃、出品されていたのですが、こちらは、うまくゲット出来ませんでした。



志野で、緋色になる部分に、蟹文を描くのは、自然に発色したものではないので、ちょっと違和感もありましたが、佐藤和次さんの十八番ですので、これもありかな?と思い、購入しました。まぁ、備前焼の火襷も、最近は、出来上がりの模様を狙って藁を巻いていますので、同じようなものですね。(笑)

志野にしては、ちょっと珍しいお品ですので、大切にしたいと思います。

 【作家 プロフィール】

 佐藤 和次 
(さとう かずじ)

 1948年岐阜県生まれ
 1967年岐阜県立多治見工業高校卒業
 1970年林孝太郎に師事
 1978年独立し、「早蕨窯」を開窯
 朝日陶芸展、岐阜県美術展、中国国際陶芸展、日本新工芸展などに入選
 美濃陶磁協会参事

                                             (追記 : 2010年9月13日)
追記 3:

美濃古染付(みのこそめつけ)を継承する、吉川修身(よしかわ おさみ)作の古染付盃です。

吉川修身作 古染付



白くなめらかな器の肌に、真っ青な呉須の線が、跳躍するように走り、ウサギや千鳥、ギフチョウなどのモチーフを生き生きと描き出すのが、古来、美濃の地で焼かれた美濃古染付ですが、その伝統を継承し、発展させている吉川修身さんの作品です。

大きさは、直径 約75mm 高さ 約45mm 底径 約32mm で、共箱、栞付きです。



近代以降、美濃の染付は志野や織部などに比べると、一段低く見られていましたが、吉川さんは、絵唐津にも似た、伸びやかな筆の使い方で、次々と賞を受賞し、その地位を高めています。

それも、そのはずで、19歳の時には雪の沼沢を描いた油絵で日展に入選したほどの腕前で、画力は一級品です。

私の盃も、麦の様子が、生き生きと描かれており、良いものが手に入ったと、大変喜んでいます。

 作陶中の吉川さん

■ 作家プロフィール ■

吉川 修身 (よしかわ おさみ)

1937年 美濃古染代々の圓荘窯に生まれる。
1955年 東光展入選。以後10回。
1956年 日展洋画入選。
1977年 日本伝統工芸展入選。以後20回入選。

日本陶芸展入選。東海伝統工芸展入賞。国際陶芸展85金賞。国際フェスティバル3回入選。金沢工芸展招待出品。大阪花博政府苑文化庁招待出品。東海伝統工芸展招待出品。

日本工芸会正会員。
美濃陶芸協会会員。
日本簒刻会常任委員。
日本書芸院一科会員。
多治見市美術展審査員。

岐阜県多治見市在住。
                                            (追記 : 2011年6月21日)

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