萩焼(はぎやき)、郷川窯 永岡定夫作の割高台茶碗です。
お茶の世界で、よく一楽、二萩、三唐津とかいわれ、萩焼の茶碗は、大変高く評価されています。これは器がお茶に合うとか、手取りが良いとか、いろいろな理由があると思いますが、最も大きな理由は、茶慣れの良さではないかと思います。萩焼の土はザングリとして堅く焼けません。そのため器が弱く柔らかいせいか、熱が逃げにくく、器にお茶がなじむと言われています。
この茶碗は、結構、大き目の茶碗ですが、サングリとしていて、軽いですし、景色も、形も良くて、お気に入りです。
郷川窯 永岡定夫作の割高台萩焼茶碗で、高台に特徴があります。
この写真のような、割高台は、私は、初めてでしたが、意外にも、安定性も良くて、お茶の席には、ぴったりです。
まさに、萩焼の典型的なお茶碗を手に入れることが出来て、うれしい限りです。我が家からも、萩は、日帰り
出来る距離でもありますし、近々、窯元を訪ねてみたいと、思っています。
この萩焼の茶碗は、四方桟蓋の共箱に入って、共布、栞付きです。今後の永岡定夫さんの活躍によっては
将来、価値が上がるのでは?と期待しています。(笑)
(記 : 2009年9月2日)
ここで、萩焼について、少し、まとめておきたいと思います。
萩焼(はぎやき)は、山口県萩市一帯で焼かれる陶器で、一部長門市・山口市にも窯元があります。長門市で焼かれる萩焼は、特に深川萩(ふかわはぎ)と呼ばれます。
萩焼は、慶長9年(1604年)に藩主毛利輝元の命によって、朝鮮人陶工、李勺光(山村家)、李敬(坂家)の兄弟が城下で御用窯を築いたのが始まりとされ、防府(ほうふ)で出土する大道土(だいどうつち)を用い、特有の藁(わら)灰質の白濁釉をかけた、茶陶としての作風が樹立したのは江戸前期と思われ、茶人の間では「一楽、二萩……」と賞玩(しょうがん)されました。びわ色の釉をかけた茶碗はわびの風情に満ち、使うほどに釉色が変化するところから「萩の七化け」の俗称があります。
最近では、兼田昌尚さんの刳貫技法を用いたものや、樋口大桂さんの鬼白と呼ばれるものなど、新風が吹き込まれ、伝統の中にも、新鮮さがあるものが、登場しています。
兼田昌尚作 萩刳貫ぐい呑
樋口大桂作 ぐい呑鬼白荒胴締割高台
(追記 : 2009年9月22日)
追記 :
2010年7月、念願の萩市を訪れ、上記の樋口大桂作・鬼白ぐい呑み
を買ってきました。
その際のお話が、「萩焼・鬼白ぐい呑み」にありますので、ご参照ください。
(追記 : 2010年7月30日)
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