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京焼の香合(手塚玉堂作)

モダンな京焼(きょうやき)の香合を手に入れました。



2代目 手塚玉堂(手塚慧)さんの作品で、「四方入角金竜文」の香合です。

2代目 手塚玉堂さんは、初代手塚玉堂さんの5兄弟の長男で、昭和8年生まれ、昭和52年に2代目手塚玉堂を襲名しています。

また、兄弟の次男の手塚央(ひさし)さん、3男手塚大示さん、5男手塚石雲(充)さんらも、ご活躍されています。

私は、形がモダンで、かわいらしいので、入札をしたのですが、意外と、お安く買えて、満足です。(笑)



香合(こうごう)とは、香をいれる蓋付きの小さな容器のことですが、かつては、はまぐりの殻を使ったりしていたので、香合と言われるようです。

茶道の場合には、茶を点てる前、湯を沸かす時に、炉等で焚くための香を中に入れます。
香合の中には、香を必ず3個入れておき、その内2個を炭の近くに落し入れ、薫じさせます。
残り1個は、そのまま拝見に回します。

風炉と炉では用いる香が違う為、香合も異なるそうですが、私は、床の間の片隅に、香木(沈香)(下方に写真有り)の角割りを入れておくことにしようと思っています。

この香合は、共箱、共布、栞付きで、お品も確かなものですので、大切にしたいと思っています。

 

                             沈 香  (インドネシア産)
                                                                                         (記 : 2009年9月3日)

さて、京焼(きょうやき)について、少し、まとめておきます。

現在は、京都府内で作られる陶磁器の総称を、「京焼清水焼」(きょうやき・きよみずやき)と決めているそうです。(通産省(現経済産業省)が、決めた名称)

磁器も陶器も、色絵から染付・焼締め・交趾(こうち)・三島手などなど、その種類は、多品種少量生産の面目躍如たる所以でしょうか?、これぞ、京焼清水焼というのがないのが特徴となっています。

江戸時代のはじめ頃から、茶の湯の普及を背景に東山地域を中心に焼かれた物を、広く京焼と呼ぶようになりました。

京焼が、一名を轟かすようになったのは、名工の出現 です。

京焼の歴史初期に特筆される名工は、野々村仁清(ののむらにんせい)です。 (生没年不明:17世紀後半)

それまでの「写しもの」と呼ばれる茶器製造から、多彩なデザインの「色絵もの」に、京焼全体全体の作風を変える程のインパクトでした。特にその影響を強く受けて江戸初期から中期にかけて、東山山麓の各窯で
古清水」と呼ばれる色絵陶器が制作されることになります。

やや遅れて登場したのが尾形乾山(おがたけんざん)です。乾山は、画家尾形光琳の弟で、光琳の絵付けしたものに、乾山が書を寄せるという共同作業で数々の名作を残しました。

 尾形乾山作 菖蒲文肩衝茶入

江戸時代も中頃になると、新しい京焼のムーブメントが起こります。本格的な磁器の焼成です。

西の伊万里磁器の隆盛と、京都の名工・奥田頴川(おくだえいせん)の出現です。頴川は京焼の世界に、磁器という新しい波を持ち込んだだけでなく、多くの優れた弟子を育てました。

青木木米(あおきもくべい)は、仁清や乾山と並び、「京焼三名工」と讃えられます。頴川の磁器製法を学び、
芸術性の高い作品を多く制作しました。

そして、京焼は、現在も、決してそのクオリティや芸術性を失わず、多品種・少量生産を特色とする高品質の陶磁器をしての伝統も守り続けています。

京焼は、明治維新以後は、清水寺に通ずる何本かの通りに多くのやきもの屋があったところから、清水焼と呼ばれるようになりましたが、清水焼には、観光用のおみやげのような印象があり、作家物は、「京焼」として扱われているようです。

 【作家 プロフィール】

 2代手塚玉堂 (てづかぎょくどう) (手塚慧)

 昭和八年、京都に生まれる。
 昭和二十八年、玉堂窯創窯に参じ、父の指導のもと、茶陶制作を始める。
 昭和五十二年 二代玉堂継承。

 東京・大阪三越百貨店、京都・横浜高島屋百貨店個展開催、
 他各地に個展発表
 
 三軌会工芸部会員
                                              (追記 : 2009年9月26日)

追記 1:

浅見五祥作・平菊象嵌茶碗」の記事を追加しました。



追記 2:

深見陶治作の青白磁・ぐい呑み」の記事を追加しました。



追加 3:

京焼の白瓷条文酒盃白瓷ぐい呑み」の記事を追加しました。





                                           (追記 : 2010年12月5日)

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