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越前焼のぐい呑み・掛け花入

倶利伽羅窯立見隆志作、越前焼き(えちぜんやき)のぐい呑みです。

越前焼

実は、立見隆志さんは、1948年に、金沢で生まれました。越前・福島信夫窯で修行し、31歳の時に穴窯を作り、初窯を達成し、4年後には登窯、さらに2年前には地下式の穴窯を完成させましたが、今は自然が豊かな石川県と富山県の県境にある、倶利伽羅山 で、薪窯を使い制作しています。

ということで、今は、越前焼きの地元の福井県丹生郡越前町ではなく、石川県津幡町に、倶利伽羅窯を開いて、活動していますが、陶土は、越前の土を使っていますので、越前焼きと言っても良いのでは?と思っています。

その作風は、越前焼きの余分なものをそぎ取ったボディ、シャープで硬質な緊張感を生んでいます。従来の焼き物とは違い個性があり、自然釉の流れで一味違った作品となっています。

このぐい呑みは、「これぞ、越前焼き」と言えるような力強いもので、お気に入りです。



 中央の模様は、窯印?

末永く、愛用したいと考えています。
                                               (記 : 2009年9月9日)

さて、越前焼について、少し、まとめておきたいと思います。

越前焼(えちぜんやき)は、福井県丹生郡越前町の主に宮崎地区(旧宮崎村)・織田地区(旧織田町)で焼かれる陶磁器(b器)で、釉薬を用いずに高温で焼成されるときに薪の灰が器に流れ出し、溶け込む、自然釉の風合いで知られています。

歴史は非常に古く、平安時代から始まったといわれるが、長く無名であったが、第二次世界大戦後、小山富士夫等により日本六古窯の一つにあげられた際に、越前焼と名付けられました。

特徴としては、越前焼の土は、耐火温度の高い良質の白色粘土でガラス質を多く含む為、同じガラス質である釉薬が、のりにくいという性質を持っています。また土に含まれるガラス質が、1200度以上の高温焼成に
よって溶けて素地中のすきまを埋め、より堅く焼締まることから、越前焼は、無釉の「焼締め」が基本となります。

還元炎焼成によって茶褐色の地肌が生まれ、その上を美しく流れる緑色の自然釉は、窯の燃料である薪の灰が焼成中に降りかかって溶けたものです。

 越前焼の壷

                                             (追記 : 2009年9月26日)
 

追記 2:

大屋光夫作(風来窯)・越前焼掛花入です。

越前焼









典型的な風合いの越前焼焼き〆掛け花入れで、大きさは、幅 10.0cm、高さ 12.5cmほどで、共箱、共布付きです。

穴窯で焼成されたもので、底の部分で、火の通り具合がわかります。越前焼らしい、おおらかな造形で、自然釉が、正面から掛かっており、掛け花入れですが、置いて使っても良さそうです。

越前焼は、中々、気に入ったものが、市場に出て来なかったので、越前焼らしいお品が、手に入って、大変、喜んでいます。

■ 作家 プロフィール ■

大屋光夫 
(おおや みつお)

1943年 福井県福井市生まれ。
1972年 越前陶芸村開村と同時に、村内で風来窯を開窯。

古越前の持ち味である、土味と自然釉の肌合いを生かした作風が特徴で、粉引の作品もある。

福井県知事賞。宮崎村文化奨励賞を受賞。

越前焼伝統工芸士。

                                            (追記 : 2011年6月27日)                                 

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