笠間焼(かさまやき)の陶芸家、「澤田晃治」氏作のぐい呑みです。
大きさは、直径が約7.5センチで、全高が約3.5センチで、刷毛目に、青っぽい灰釉がきれいです。
笠間焼(かさまやき)は、茨城県笠間市周辺を産地とする陶磁器で、江戸時代の安永年間(1772〜1781年)、
箱田村(現在の笠間市箱田)の久野半右衛門が、信楽の陶工・長石衛門の指導で焼き物を始め、築窯したとされています。
明治に入っても、笠間は、19の窯元を数える厨房用粗陶器の産地として知られていました。しかし、終戦後、人々の生活様式も大きく変化し、百数十年におよぶ関東一の歴史を誇る陶の里も、厨房用粗陶器から工芸陶器への転換を計らざるを得なかったのですが、今では、300近い窯元を有する陶磁器の産地となり、自由闊達な空気のなかで、伝統を受け継ぎながらも作家の個性をより重じる方向へ作風を転換しています。
ですから、要するに、今では、何でもありの焼き物で、益子焼や、京焼と同様に、「これぞ、笠間焼」というのがないのが、特徴と言えるのかもしれません。
このぐい呑みも、作家の個性は、出ているものの、笠間焼らしいというものは、ありません。
2008年4月に開催された第26回陶炎祭の出品者を見ると、なんと、218人の出品があります。
(当該ホームページ参照)
澤田晃治さんは、No96に出ていますが、笠間焼には、益子焼の濱田庄司のような存在がないので、私には、趣味の域を出ないという印象は、拭えません。
また、笠間焼が生まれてから昭和20年代頃までは、瓶や摺鉢等の台所用品が多く焼かれていましたので、美術品としての笠間焼には、あまり高い評価はなく、笠間焼に、あまりいい印象は、ないようです。
これらが、昔の笠間焼ですが、懐かしさが込み上げてきますね。(笑)
(記 : 2009年11月3日)
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