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エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

小鹿田焼の壷

小鹿田焼(おんたやき)のです。



 

大きさは、口径6.4×高さ21cmほどで、花入れとしても、OKですね。

褐釉を掛けた上で、化粧土を無作為にたっぷりと掛け、透明釉を掛けて焼いたものです。恐らく、指というよりは、手の平全体を使って、文様をつけたものと思います。

   
          販売店のシール                   陶印

小鹿田焼は、下記で説明する通り、作品に個人銘を入れることを控えているので、窯元の特定が難しいところがありますが、この壷には、販売元の「綾部商店」のシールが貼ってあり、綾部商店は、日田市にあり、創業昭和27年、小鹿田焼の専門店として、大,小の壷・鉢・酒器・碗・皿と素朴で、ぬくもりのある陶器の数々を揃えており、小鹿田焼10件の窯元の秀作の品々との出会いが楽しめるお店』ということですので、確かなものだと思います。

小鹿田焼には、「飛び鉋」、「打ち刷毛目」、「指描き」、「櫛描き」、「打ち掛け」、「流し掛け」等の技法がありますが、このような指描きに似た作品は、少ないように思います。

小鹿田焼(おんたやき)は、大分県日田市の山あい、皿山を中心とする小鹿田地区で焼かれる陶器で、その陶芸技法が、1995年(平成7年)に国の重要無形文化財として指定され、2008年3月には地区全体が「小鹿田焼の里」として、重要文化的景観に選定されています。

   

小鹿田焼は、江戸時代中期の1705年(宝永2年)若しくは、1737年(元文2年)に、幕府直轄領(天領)であった日田の代官により、領内の生活雑器の需要を賄うために興されたもので、福岡県の小石原から招かれた陶工の柳瀬三右衛門と、日田郡大鶴村の黒木十兵衛によって始められました。元は、享和年間に小石原焼の分流の窯として開かれていたものであるといいます。このため、小鹿田焼の技法には小石原焼と共通するものがあります。

李朝系登り窯で、飛び鉋、刷毛目、櫛描きなどの道具を用いて刻まれた幾何学的紋様を特徴とし、また、釉薬の使い方には打ち掛け流し掛けなどといった技法が用いられています。上野焼、小石原焼の流れを汲む焼き物ですので、技法等が似ているところもありますね。


               小鹿田焼の品々

小鹿田焼の窯元は、代々長子相続で技術を伝え、弟子を取らなかったため、開窯以来の伝統的な技法がよく保存されており、これが重要無形文化財に指定された大きな理由となりました。現在は10軒の窯元がありますが、全てが開窯時から続く、柳瀬家、黒木家、坂本家の子孫にあたります。 (現在の窯元は、当該ホームページ参照)

 同業組合 組合長・坂本義孝氏

窯元は、共同で土採りを行ったり、作品に個人銘を入れることを慎むなど、小鹿田焼の品質やイメージを守る取り組みを行っており、窯元によって構成される小鹿田焼技術保存会は、重要無形文化財の保持団体に認定されています。

 
     鉄分の多い地元の山土                共同窯

 
 民窯の小鹿田焼はお値段も手頃       唐臼(からうす)           唐臼(からうす)内部

ということですので、陶印等によって、誰の作品であるかを見分けるのは出来ないので、窯の真贋が難しいという点はありますが、特徴を継承していることから、「これぞ、小鹿田焼」というものが、多いので、分かり易いと言えるかもしれません。

また、民窯ですので、手頃な値段で買える品物が多く、普段使いの食器としても、いいのではないでしょうか?

毎年、10月の第2土曜日と日曜日に、小鹿田焼民陶祭が開かれているようですので、一度、行ってみたいと思っています。
                                                                            (記 : 2009年11月8日)

追記 1:

2010年10月17日、小鹿田焼の里へ出掛けてきました。その際のお話を、「小鹿田焼の打ち刷毛目八寸皿」にまとめていますので、ご参照ください。

 打ち刷毛目皿
                                              (追記 :2010年10月20日)

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