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小代焼の飯茶碗・平盃

小代(岱)焼(しょうだいやき)(太郎窯)の飯茶碗です。







小振りの抹茶碗としても、使えるかな?と思って買ったのですが、大きさは、直径11センチ×高さ約5.5センチ程です。古くは、朝鮮唐津と混同されたという、青小代釉がきれいな茶碗です。

前所有者は、福岡の方で、「窯元で買い求めました(太郎窯)」ということですので、小代焼の太郎窯のものに
間違いないと思いますし、窯印も、「太郎窯」となっています。

小代焼の陶印は、「小代」となっているものが、多いような気がしていたので、最近は、各窯元の印を押すようになったのかもしれませんね。

          

太郎窯は、窯元の福田 安さんと、奥さん、息子さん、娘さんの4人で、窯を経営されており、上のような作品を作られています。(「太郎窯ホームページ」参照)

★ 小代焼(小岱焼) ★

小代焼(しょうだいやき)は、熊本県荒尾市、南関町熊本市など県北部で焼かれる陶器で、小岱焼とも表記することもあります。寛永9年(1632年)に、豊前から転封された細川忠利が、陶工の牝小路家初代源七、
葛城家初代八左衛門を従え、藩主の命によって焼き物を焼かせたのが始まりと言われています。

粗めの陶土に、茶褐色の鉄釉で覆い、その上に藁や笹の灰から採った白釉や黄色釉を、スポイトや柄杓を使って流し掛けする、大胆かつ奔放な風合いの食器で知られています。

また、釉薬には藁灰・木灰・笹灰をおもに用いて、地釉の上に、灰白色や灰青色の灰釉を掛けたために、製品は、灰白色・暗灰色・暗青色・褐色・黒褐色を呈するものがあり、八代焼の初期や朝鮮唐津に類似するのも特徴です。

明治維新後は有田や瀬戸といった磁器産地に押され、廃窯となってしまいましたが、昭和になって近重治太郎(健軍窯)、城島平次郎(しろ平窯)らの努力によって復興を遂げました。

現在の窯元は、荒尾市を中心に、12の窯元がその技術を競い合っています。

小代焼窯元の会(12窯元)
窯元名 代表者名 住所 電話番号 FAX
小代焼ふもと窯 井上 泰秋 荒尾市府本字古畑1728-1 0968-68-0456 0968-68-4476
小岱焼しろ平窯 城島 伸明 荒尾市大島下25-3 0968-62-0538 0968-62-0538
小岱焼末安窯 末安 英介 荒尾市府本上1712-2 0968-68-0058 0968-68-0058
小代焼中平窯 西川 構生 荒尾市樺字中平1192 0968-68-7326 0968-68-7326
小代焼太郎窯 福田 安 荒尾市平山2560-17 0968-68-4817 0968-68-4817
小代瑞穂窯 福田 るい 荒尾市上平山字庄山914 0968-66-2380 0968-66-2922
小代本谷ちひろ窯 前野 智博 荒尾市川登2131-74 0968-68-6459 0968-68-6459
小代焼岱平窯 坂井 理知子・博樹 玉名郡南関町宮尾470 0968-53-9245 0968-53-8048
松風焼野田窯 野田 義昭 玉名郡南関町関町下城1566 0968-53-1531 0968-53-1531
小代焼一先窯 山口 耕三 玉名郡長洲町葛輪 0968-78-5631 0968-78-5631
小代焼健軍窯 近重 真 熊本市健軍4丁目6-5 096-368-2561 096-368-2555
小代焼松橋窯 長木 實 宇城市松橋町松橋661-1 0964-33-3168 0964-33-3168

催し物としては、初窯出し(府本・炎の里地区)が、毎年2月(最終土日)、なんかん古小代の里「陶器・
梅まつり」
が、3月の中旬に開かれているようです。一度、出掛けてみたいと思っています。
                                               (記 : 2009年11月9日)

追記 1:

小代焼(しょうだいやき)、健軍窯(たけみやかま)、三代近重治太郎(ちかしげ じたろう)作、平盃です。







 陶印「小代」

大きさは、径: 8.0cm、高さ: 4.0cmほどのちょっと大きめの平盃で、共箱、栞付きです。

息子が、熊本大学で学んでいるので、熊本市健軍(けんぐん)にある健軍窯(たけみやがま)の窯元へ行って、気に入ったものを買ってきてもらいました。

小代焼は、明治維新後、藩の庇護を断たれ、次第に衰え、一時は全くその跡をとどめぬ程になりましたが、昭和6年、初代近重治太郎の手により、幾多の苦労を重ねながら古法を習得し、現代の鑑賞に耐えうる新趣向を加えて、現在の小代焼の源流を築きあげ、小代焼を復興しています。

また、初代は、昭和28年に全国陶磁器展に入賞し、昭和51年には、国より、伝統工芸功労者の表彰を受け、平成15年には、経済産業省から、伝統的工芸品の指定を受けています。

現在は、平成17年に、三代治太郎(近重 眞二)が、二代(近重 真)から、窯を引き継いでいます。

 健軍窯外観

 健軍窯展示室

息子が、数あるぐい呑みの中から、選んでくれたものですので、大切にしたいと思っています。
                                              (追記 : 2011年1月6日)

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