平清水焼(ひらしみずやき)、青龍窯の残雪・花挿しです。
大きさは、高さ:
20.5cm、口径:2cmで、一輪挿しでしょうね。ただ、呑んべいの私には、徳利として使ってもいいかな?と思っています。(笑)
「残雪
」独特の、乳白色の艶消し白釉が、掛かり、黒っぽい地肌が、出ていて、いかにも平清水焼といった作品です。
この花挿しの形は、青龍窯の「残雪」では、特に有名な形で、なんとなく丹頂鶴を感じさせます。
青龍窯
は、現在、4代目の丹羽良知氏が、窯を守っておられますが、新作にも挑戦されているようです。
平清水焼(ひらしみずやき)は、山形県山形市平清水で焼かれる陶磁器です。江戸後期の文化年間に、地主の丹羽治左衛門
が、茨城からの陶工、小野藤次平を招いて、地元千歳山の土を使って焼かせたのが始まりと言われています。
現在、6つの窯元がありますが、一般に知られているのは、青龍窯の「梨青瓷」と「残雪」です。梨青瓷は、地元の土に含有されている硫化鉄が、還元炎焼成によって気化、釉薬の中に溶解すると梨の肌のような青白色の斑点が生じ、独特の風合いを醸し出します。三代目丹羽龍之介が、開発し、ブリュッセル万国博覧
会への出展で受賞し、一気に
平清水の名は上がったといわれます。
4代丹羽良知氏が開発した「残雪」は、純白の白釉を掛けることによって、黒色の斑点が浮き上がることで名付けられました。千歳山に、残った残雪をイメージしたと言われています。
他にも撫青瓷の平吉窯、「白衣」といわれる化粧掛けや「白砂」を得意とする天沢窯
など6つの個性的な窯場があります。(「窯元一覧」参照)
青龍窯と丹羽良知氏
(記 : 2009年12月11日)
追記 1:
平清水焼、青龍窯作の「残雪」ぐい呑みを手に入れました。
陶印「青龍窯」
大きさは、 高さ5.7cm、外径6cm、高台径3.5cm程で、平清水焼、青龍窯の十八番の「残雪」という、乳白色の艶消し白釉のぐい呑みで、共箱付きです。
青龍窯は、明治初期、初代丹羽丈助による創業以来、磁器、陶器等を造り続けながら変わりゆく中で、平清水独自の物を造り出すべく苦心研究を続けました。
その結果、昭和二十年に、千歳山の陶石に含まれる鉄分を活かし、梨の肌合いのような青瓷を創り出し、梨青瓷(なしせいじ)と命名しました。しかし、今日では、梨青瓷のみにとらわれず、4代丹羽良知が生み出した「残雪」と命名された艶消白釉等の自由な釉調と土味を活かした作陶に精進しています。
このぐい呑みは、その特徴を充分に表した作品で、東北は焼き物産地が少ない中、ぐい呑みのコレクションに加わりましたので、大切にしたいと思います。
【陶工 紹介】
丹羽 良知 (にわ りょうち) 79歳
1931年 山形県天童市に生まれる
1945年 青龍窯に入門
1950年 4代目を継承
青龍窯
日本工芸会正会員
(追記 : 2010年12月14日) |