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森山焼本家窯元・中村陶吉三女の中村みづほ作の、花瓶です。 大きさは、高さ 22.0cm 口径 7.3cm 底径 14.8cmほどで、共箱、栞付きです。多分、伊羅保釉か、焼き締めだと思うのですが、茶褐色の陶肌に淡黄色をおびた渋みのある、志戸呂焼と同じような色合いになっていますね。 また、栞によりますと、中村みづほさんの鉄釉花瓶が、平成15年12月、皇室に献上されたそうです。 中村陶房の作品 ★ 森山焼とは ★ 森山焼(もりやまやき)は、 静岡県周智郡森町にて焼かれる陶器で、志戸呂焼の流れを汲みます。明治42年の開窯で、瀬戸焼を再興した加藤藤四郎(民吉)の話に感化された中村秀吉が、志戸呂の陶工、鈴木静邨を招き、主に日用食器、茶器、酒器、花器などを焼きました。名前は森町森山の地名からとっています。 現在は、中村陶房(中村陶吉)、晴山陶房(松井晴山)、静邨陶房(鈴木静邨)、田米陶房(田米孝雄)の4つの窯元があり、それぞれ個性的な意匠を見せています。 森山焼・いろいろ 中村陶房は、所謂、本家で、中村陶吉さんご夫婦と、娘さん(みづほさん)とで作陶しています。 晴山陶房は、松井晴山さんが、虎の縞のような模様の「虎布(とらぶ)」、赤の中に青色が現れる「辰砂」、白濁した「藁灰釉(わらばいゆう)」を使った作品を、多く作っています。 静邨陶房は、鈴木静邨さんが、先代が生み出した至難の業と言われる赤の表現こだわり、赤焼を得意として、森山焼といえば、「赤焼」を想像される方もおられるくらいです。 田米陶房では、田米孝雄さんが、新進気鋭で、芸術性の高い作品を、作られています。 この作品は、志戸呂焼に似た、茶褐色の陶肌に淡黄色をおびた渋みのある、私の好みの作品ですので、末永く、大切に したいと思っています。 (記 : 2010年2月5日)
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