上神焼(かづわやき)の黒茶碗で、上神焼二代目中森三郎(不入)の作品です。
上神焼(かづわやき)は、鳥取県倉吉市で作られている焼き物ですが、倉吉には、上神焼の他に、上神焼上神山窯、福光焼.
黒見焼. 倉吉焼八幡窯、玉伯焼、国造焼、打吹焼等の窯も近くにあり、1つの焼き物の里を、形成しています。
この辺につきましては、「上神焼の不思議」で、詳しく述べていますので、ご参照ください。
上神焼(かづわやき)は、古く、宝暦年間(1750年頃)に開窯されましたが、明治に入って、廃窯になり、現在の上神焼は、昭和初期に、初代中森音吉が、上神焼として窯を開き、京風のつくりに、二代目三郎(不入)が地方色を加え、ロクロ味や釉薬に独特の芸風を継ぎ、三代目清(伯雅)が、辰砂釉等の伝統を受け継ぐと共に、新しい手法で作品を創作しています。
この黒茶碗は、二代不入の作品で、銘「巴」とありますが、お箱に落款がないのが、ちょっと気になっていますが、栞もあるし、箱に布が貼ってあるので、大切にされていたのではないか?と思っています。
大きさは、径:13cm、高さ:8.5cmほどのものです。
上神焼は、辰砂釉が、有名なのですが、いまだオークションで見たことがありません。一度、倉吉を訪れて、辰砂釉の作品を、手に入れたいと思っています。
(記 : 2010年3月19日)
追記 1:
上神焼、初代中森音吉作の盃です。
大きさは、高さ3.9cm、直径5.4cm程で、共箱付きです。
小品ですが、初代音吉のものは、珍しいと思い、購入しました。
灰釉のシンプルな作品で、微妙な貫入と、自然に入ったと思われる掛けわけが特徴的です。もしかすると、鳥取県の名産の梨から取った灰による釉薬が使われているのかもしれません。梨釉は、ベージュ色といいますから、まさに、その色ですね。
初代音吉さんは、昭和初期に、開窯されていますので、この作品は、共箱から察して、戦後のものだと思います。状態もいいので、大切にしたいと思っています。
上神焼展示室
窯元入口
当代の三代目 中森 伯雅さん
(追記 : 2010年11月10日) |