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エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

矢野知作・斑唐津のぐい呑み 

唐津焼の陶芸家、矢野知作の斑唐津のぐい呑みです。







大きさは、口径約6.5cm×高さ約4.5cm程の、ぐい呑みで、使い込む程に、味わいが変化してくるという斑(まだら)唐津の作品で、日本酒をいただいては、どのように変化していくのか?楽しみにしています。

矢野知(やのとも)さんは、1937年に唐津に生まれ、海老原喜之助さんに師事した陶芸家です。現在は、佐賀県唐津市鎮西町名護屋に開いた、殿山窯で活躍されています。

息子さんの直人(なおと)さん(1976年生まれ)と共に、朝鮮唐津の花入(はないれ)や、叩(たた)きの技法を駆使した壺(つぼ)など渋みのある唐津焼の器を作られています。

直人さんは、30代の新鋭作家として、注目されており、これからの、ご活躍も期待したいですね。

 
         矢野直人作 斑唐津ぐい呑み                  矢野直人さん

西の「からつもの」、東の「せともの」と言われたくらい、陶磁器を現す言葉として、風靡した唐津焼ですが、(唐津焼だけでなく、有田焼や、波佐見焼、三川内焼等も、総括的に、からつものと言っていたようです。)唐津焼自体は、明治期に、廃窯状態になり、所謂、古唐津の技法が、途絶えました。

1969年(昭和44年)に、十二代中里太郎右衛門が、古唐津の技法を再興して、再度、古唐津の魅力が蘇り、多くの陶芸家が、唐津に戻ってきています。

唐津焼は、「唐津焼の基本的な様式」でも触れておりますが、下記のような基本様式があり、今回のぐい呑みは、「斑(まだら)唐津」と言われているもので、萩焼と同様に、使い込むごとに、景色が変わってくるとされています。

 

絵唐津

素地に鬼板で文様を描き長石釉や灰釉などの透明釉を施し焼成する。文様は木・草・花・鳥・人物など単純で伸びやかなものが多くみられます。

古唐津は日本で初めて絵付けを施した焼き物だと言われています。

 

朝鮮唐津

黒く発色する鉄釉と白濁する藁灰釉の2種類を使用する。鉄釉を下に掛け藁灰釉を上から流して景色を表現したものです。(上下逆の場合もある)

 

斑(まだら)唐津

長石に藁灰などをまぜて焼成し、粘土の中の鉄分が青や黒などのまだらとなったものです。ざんぐりとしていて、厚めに釉薬がかけられた湯のみなどは味わい深い。

 

三島唐津

李朝三島の技法を伝承したものです。象嵌の一種で、器がまだ生乾きのときに印家紋、線彫、雲鶴などの文様を施して、化粧土を塗って削り、また拭き取り加工をした後焼成したものです。

 

粉引唐津

褐色の粘土を使い素地が生乾きのときに化粧粘土を全体に掛けて乾燥させた後に、釉薬を掛けたものです。

その他にも、青唐津、掘唐津、刷毛目唐津、奥高麗 、等々もあり、唐津焼は、奥が深いですね。
                                              (記 : 2010年3月22日)

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