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楢岡焼の角皿

楢岡焼(ならおかやき)・楢岡陶苑製の、角皿2枚です。











 「楢岡」の陶印

高さ約6.5p 23.5p×22p程の角皿2枚ですが、いずれのお皿も、楢岡焼の特徴である、海鼠釉の微妙な変化がおもしろい良い作品だと思います。

一番上の角皿は、栞から、5代目小松哲郎の作品であることがわかりますが、もう1枚の方は、陶印がないのですが、なまこ釉の発色が良くて、楢岡焼の特徴をうまく出しており、両方とも、中々の良品です。

重さも、どっしりとしていて、皿の撥ね方も、大胆で、どんな料理を盛っても、皿が負けることはなさそうです。


                    さざえの壷焼きを盛ってみました。

楢岡焼(ならおかやき)は、秋田県大仙市南外地域(旧南外村)にて焼かれる陶器で、1863(文久3)年に南楢岡大杉(旧南外村)の小松清治角右衛門窯初代)が、寺内瀬戸座(秋田市)から工人を招致して創設しました。かつては「大杉瀬戸」と呼んでいたといわれています。

2代目宇一に至り、1907年ころ、窯を現在地の高野に移築しましたが、以降「楢岡焼」と称されることになります。3代目弥一の時代は、第2次世界大戦に影響され、陶管の製造に転換を余儀なくされるという苦難の道をたどりました。青白釉を基調とした日用雑器が焼成され、近隣農村の需要にこたえてきました。4代目が幸一郎(県文化功労者、平成元年没)、1989年9月に、哲郎が、5代目小松角右衛門として、技を継いでいます。

 5代目 小松哲郎さん(61)

楢岡焼の特徴は、「海鼠釉(なまこゆう)」と呼ばれる釉薬(うわぐすり)がつくり出す青を基調とした美しさで、釉薬は長石が主成分で、普通は白色になりますが、楢岡焼で使う長石には不純物が多く、特有の青みを帯びてきます。

さらに、登り窯による独特な焼成により、深い味わいが醸し出されます。その色合いは作品によって、濃密な青、淡い青、水色に近い白、薄茶混じりの白などさまざまです。

また、「楢岡焼」の最大の特徴は、高温で焼成した海鼠釉(なまこゆう)を、さらにもう一度、酸素を入れない還元方法で炭火焼成する「海鼠釉焼締め」にあります。この技法が、美しい青色と、時に窯のなかの炎と降灰でおこる微妙な釉の変化の面白さを生み出すのです。

 楢岡陶苑 窯出し前の作品

楢岡焼 は、楢岡陶苑の他に、六兵衛窯を創始した小松広雄、それに幸一郎の次弟・幸次郎の子息(弘・進)たちが、角館焼(角館町)を興しています。

私の角皿は、料理を盛るのに丁度いい大きさですし、菓子皿としても使えそうですね。
                                              (記 : 2010年5月1日)

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