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エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
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スンコロク(宋胡録)の豆香合

スンコロク宋胡録豆香合を手に入れました。







スンコロクとは、「《タイの窯場の名スワンカロークから》タイ国で、14世紀以降焼かれた陶器。桃山時代から江戸初期にかけて日本に舶載され、茶人が香合として珍重した。のち、タイ産の陶磁器の総称ともなった。
「宋胡録」「寸古録」とも書く」と、大辞泉にあります。

また、スンコロクは、タイの窯業地シーサッチャナライスワンカローク窯で焼かれたもので、シャムのスコータイ王朝滅亡の14世紀頃から興り、400年以上も続き、中国の焼き物の影響を大きく受けた焼き物を生産しました。宋や元代の龍泉窯系統の青磁、青花を写した作品が多く、半磁器胎土に灰青磁釉、鉄絵、そして白化粧を主に生産していました。この窯の製品は貿易陶磁としても製作され、近隣地ばかりでなく、インドネシアやフィリピンへ輸出され、日本にも慶長年間(1596−1615)の頃から、“宋(すん)胡録(ころく)”と呼ばれて舶来されましたとのこと。

この香合は、豆香合ですから、大きさは、直径 4cm、 縦 2,5cmほどの小さなものです。

しかし、半磁器胎土ですから、白く見えますし、元の染付けの技法の模様ですし、灰青磁釉に、鉄絵とお決まり通りですし、内側は、渋釉が塗られていますので、本物ではないか?と思ったわけです。

スンコロクには、偽物もたくさんあるとのことですので、真贋を見極めるのが、難しかったのですが、「スンコロクの小部屋」というブログから、下のような本物の写真を見て、本物と判断したわけです。

スンコロクは、「青磁釉鉄絵」です。鉄絵が、少し青み掛かって見えますが、青磁の影響のようです。

    

 (大きさ : 径 22mm)

タイのバンコクで、かつて、黒色土器を買ったことがありますが、14世紀に、こんな陶磁器が、タイにあるとは、知らなくて、驚きでした。また、土が白いのも、驚きで、半磁器胎土で作られているとのことで、これまた、驚きです。

東南アジアには、土器しかなくて、陶磁器はないと、かつて、記述したことがありますが、まだまだ、知らないことがたくさんあるようですね。

  
  これも、本物のスンコロクだと思われます。
        (楽天堂古美術より)

尚、Yahoo百科事典では、下記のように記述されていますが、上述の「スンコロクの小部屋」の筆者は、染付けものは、偽物で、スンコロクに、染付けはないとされています。(当該ページ参照)


  ネットオークションで出されていたもの。(12000円)
  染付けであるので、スンコロクではないでしょうね。

★ 宋胡録(すんころく)とは? ★

タイの代表的な古陶磁窯で、窯は中部タイのスワンカローク市の郊外パーヤン村、ツターカ村、バン・コーノイ村に145か所を数える。この一大製陶地の中心がスワンカローク窯で、スコータイ王朝の14世紀に開かれ、中国陶磁の陶技や様式を受けて、鉄絵陶、青磁、褐釉(ゆう)陶、白釉陶、淡青釉陶などを焼いた。日本へは桃山、江戸初期に茶人好みの器物として将来され、江戸時代にスワンカロークをなまって宋胡録(寸胡録とも書く)の名称で親しまれた。初期の鉄絵には中国の元代(1206〜1367)の染付磁器の様式が色濃く投影し、青磁には同じく元代の龍泉(りゅうせん)窯青磁の影響が強い。製品は皿、鉢、蓋(ふた)物などの日用品が主であるが、15〜16世紀にはタイらしい国風化された様式を示すとともに生産量も増大した。廃窯の時期は17世紀以後であるが、詳細は不明である。

                                             
  
 (記 : 2009年10月7日)

追記 : スンコロクの小部屋の筆者が、『変なものを複数回(最低でも3回以上)ネットオークションで扱い、その中でも2回は自分でも理解してやっていたとしか取りようのないnazonazo氏』と、名指しされたnazonazo氏
の出品ものの、商品説明です。

『日本では、安土桃山の時代、茶人や武家が茶道に使用する為、タイからフィリピン経由でスンコロク(宋胡録)を輸入したそうです。千利休もスンコロク(宋胡録)を愛でたそうです。スンコロク(宋胡録)の起源はタイの
スコータイ地方からでして、ちゃんとした研究がなされていない陶磁器の分野ではありますが、歴史的には、
13,4世紀辺りから作られ始め、最盛期は15世紀と言われています。モンと呼ばれた褐色釉(13世紀辺り)から最盛期に青磁釉15世紀)へと移り変わっていたと言われています。
 
今回の出品は、全て海揚がりのものではなく発掘品です。海揚がりモノは発掘モノに比べ海中にあった分、
保存状態は良いのですが、土質が変化していることから真贋を見分けるのが難しいのに比べ、発掘モノは
土質の見分けが確りと出来ますので、初心者の方でもお手頃に蒐集していただける骨董です。』

大辞泉では、「のち、タイ産の陶磁器の総称ともなった。」と、ありますから、スンコロクを、「青磁釉鉄絵」と
限定してしまうのか?その時代の、すべてのタイ陶磁器をいうのか?という議論になるのでは?という
感じがします。

★ 私のスンコロクは?  ★

今回の私のスンコロクは、伝世物ではないか?、しかも、模様から、元染付けの模様に似ていますので、初期のものではないか?と思っています。輸出用に、大量に作られたものの1つと思いますが、思いを、安土桃山時代に馳せて、大切にしたいと思っています。

尚、何故、こんなに小さな豆香合を作ったのか?という疑問があると思います。私の推測は、これは、香合として作ったものではなくて、化粧品(口紅)等の、容器だったのでは?と思っています。そうであれば、数が必要ですから、説明も出来ますね。

     

                                              (追記 : 2009年10月8日)
追記 2:

あるブログから、スンコロクの画像を見つけました。

私のスンコロクとほぼ同じサイズの4cmほどのもので、鑑定士により、本物と鑑定されたものです。







                                              (追記 : 2009年12月6日)
追記 3:

こちらは、オークションに出品されたスンコロクです。大きさは、私のものよりは、少し大きくて、高:約4・5cm、口径:約7・2cm本物保障品ということで、出品されていました。

しかし・・・・染付けと表記されていましたし、鉄絵でないような感じもしますね。








                   (高台に直しがあります。)
                                             (追記 : 2009年12月9日) 

追記 4:

上記のものとそっくりの香合を、ベトナム・ホーチミンの骨董店で買いました。骨董店の店主によると、500年前の安南焼であるとのことです。染付けでもありますし、安南焼の可能性もありますね。(「ホーチミンで安南焼の合子をゲット! 」参照)
                                              (追記 : 2012年4月22日)                                      

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