旅するところ、焼き物・骨董あり!                                                                       <<<焼き物・骨董情報サイト>>>

トップへ  当サイトでは、筆者が、世界中を旅したところで集めた焼き物・骨董品を、
エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

安南焼の合子と茶碗

2012年4月6日に、ベトナム・ホーチミン市で、購入した安南焼(あんなんやき)の合子(ごうす)です。

安南焼

安南焼







大きさは、径:7.5cm、高さ:5cmで、ホーチミンの骨董店の店主曰く、「500年前の安南焼である。」ということです。

2,3か所に小さなホツが見られますが、状態は、良い方だと思います。安南焼の特徴である呉須のにじみや、表面のカンニュウは見られませんが、店主が、自信を持って、「そうだ」と言い切っていましたので、信じたいと思います。(笑)

香合としては、少し大きいかな?と思ったので、合子(ごうす)としました。合子(盒子)とは、身とふたとが合う物の意から来た、蓋付きの小さな容器で、香合や化粧品入れなどに用いたものです。

この合子、「スンコロクの香合 」の追記3で取り上げたお品とそっくりです。記事中でも、タイ製のスンコロクとするのは、おかしいのでは?と話していますが、安南焼なのかもしれませんね。

こちらは、同じお店で買った安南焼茶碗です。



安南焼



安南焼 「とんぼ」模様

 銘があるが、読めない

大きさは、径:15cm、高さ:7cmで、抹茶碗にしてよいようなお椀ですが、まさか、日本向けに作っているわけではないでしょうから、汁椀なんでしょうね。

こちらは、400年前の安南焼とラベルが貼ってありました。400年前と言えば、江戸時代の初期で、明代末期・・・・時代が合っているといえば、合っていますね。

高台内には、何か銘があるのですが、にじんでいて、読めません。

見込みには、安南焼の特徴である、「とんぼ」がありますし、表面には、細かなカンニュウもあり、高台周辺の土の感じから時代を感じますし、ほぼ、時代も合っているのでは?と思います。

茶碗の呉須の模様は、にじみが激しく、2か所ほど、模様がべったりとしています。恐らく、透明釉を掛けた際に、呉須が流れたのだと思います。ちょっと、価値を下げているかもしれませんが、こうして、ほぼ無傷で、伝世していますので、良いものなんだと思います。

ベトナム・ハノイ郊外にあるバッチャン という町で作られているものですが、1500年代〜1650年くらいの明末期に、盛んに、交易が行われて、各国へ輸出され、日本へも数多く入っています。

骨董の安南焼も、その時代のものが多いのは、それだけ数も多く作っていたということなんだと思います。

お品を買った骨董店は、ホーチミン市の目抜き通りのドンコイ通りにあり、老舗の骨董店でした。値切りは一切受け付けず、殿様商売でしたが、ベトナムの物価が安い分、結構、お手頃価格で購入することが出来ました。ベトナム旅行の良き思い出にしたいと思っています。

★ 安南焼 (あんなんやき) とは? ★

安南焼(あんなんやき)は、かつて、安南(あんなん)とよばれたベトナムの陶磁器をいいます。ベトナムは、早くから中国の影響をうけ、製陶のさかんだったところで、12、3世紀ごろには宋風の青磁や白磁が焼かれ、15、6世紀には元、明(みん)の染付、赤絵の影響をうけて、すぐれた染付や赤絵を焼いており、その製品は、東南アジア一帯にいきわたっています。

日本の茶人が、古くから安南焼きとよんで珍重しているのは、17世紀ごろ御朱印船などによって運ばれたベトナムの染付や赤絵で、安南絞手(しぼりて)、安南蜻蛉(とんぼ)、紅安南などとよばれるものです。

茶碗が多いのですが、水差しや花生けもあります。染付は、呉須が流散しているものが多いため、俗に絞手とよばれ、トンボを描いたものがとくに有名です。紅安南は、赤絵のことで、まれに金彩を加えたものがあります。これらの安南焼は、すべてねばりのある細かい灰白色の素地で、底に茶褐色の渋釉(しぶぐすり)を塗ってあるのが特徴とされています。



現在でも、ハノイから車で30分ほどのところにある、陶郷バチャン村(バッチャン村)で造られているので、バチャン焼(バッチャン焼)ともいわれており、ベトナムのお土産に利用されていますが、多くは、型に入れて成型したもので、安価なものが多いようです。

 バッチャン村

 成型、絵付け、すべて手作業。

安南焼の特徴は、柔らかな乳白色と釉薬と素地との収縮率の違いにより生じた貫入(ひび割れ模様)ですが、窯の進歩により、最近のものには、貫入が入っていない、普段使いの食器用のものが多くなってきているようです。


        ホーチミンの「ユイタン」というお店で売られているバッチャン焼

                                               (記 : 2012年4月12日)

Copyright (C) ともさんの焼き物・骨董紀行  All Rights Reserved 
















inserted by FC2 system