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2012年4月23日に、堀越焼、末田焼、佐野焼の里を訪れた際の訪問記のその2で、玉祖神社から、始まります。(前記は、「堀越・末田・佐野焼の里を訪問@」参照) 末田焼の真山窯で、末田から2号線への道順を聞いて、一路、防府市佐野地区へ向かいました。そして、到着したのが、玉祖神社(たまのおや じんじゃ)。佐野焼の起源等が、玉祖神社の由緒に書いてありました。 窯元は、この辺に違いないと思い、車を玉祖神社の駐車場に置いて、歩いて探すことにしました。窯のあるところですから、山の麓に違いないと探したのですが、中々、見つからず、最終的には、佐野郵便局で、場所をお聞きすることになりました。 そして、教えていただいた道順に従って進み、若宮神社(わかみや じんじゃ)の鳥居を発見。ここをくぐって行ったところとのことでした。 境内の中には、「佐野焼 宮窯跡」という石碑もあり、佐野焼が、若宮神社近辺で焼かれていたことを示していました。 そして、若宮神社のすぐそばで、ついに窯元を発見したのですが、お留守かな?という雰囲気でした。気落ちせずに、「ご免ください!」と声を掛けると、大井可笑(おおい かしょう)さんが、出てこられました。 展示室には、そこらへんに焼き物が、無造作に置いてあり、「最近は、整理もしていないから・・・・」 展示室には、茶道に使う、水指、風炉、蓋置、皆具入れ、急須等々が、ありました。 私が、ぐい呑みを集めていると話すと、この辺にあるよと、無造作に段ボールに入ったぐい呑みや、どこからとも持ってきたぐい呑みを見せていただいて、私が、2つを選ぶと、「タダでもって行きなさい!」と、こちらも、商売っ気が、全くなし!(笑) 家内が、「山口の人は、皆こんな感じなのかな?」と不思議がっていました。(笑) 可笑さんに、年を尋ねると、「いくつだと思う?」と逆質問。私が、鯖を読んで、75歳くらいですか?と話すと、「いやいや、3年ですよ!」、「大正3年?」、「いやいや、昭和3年生まれですから、84です。」とのこと・・・・・ 大変、お元気で、ぐい呑みの1つを箱に入れて箱書きをして欲しいとお願いすると、箱を探してきて、手馴れた様子で、墨を磨って、すらすらと箱書きをしてくださいました。手馴れたもので、オークションで買った香合の箱書きと同じでした。(「大井可笑作・佐野焼の香合」参照) それが、こちらのぐい呑みで、さすがにタダではこころ苦しいので、箱代だけでもと、2000円を置いて帰りましたが、「金は要らん!」といった超越した印象でした。(笑) 玉祖窯で使っている土は、隣の大道(だいどう)で取れる土で、萩焼の土も大道の土を使っていますので、作品は、萩焼に似ています。大きさは、径:5.5cm、高さ:5cmほどのもので、共箱の他に、どこからともなく持ってきた共布をつけていただきました。 こちらは、もう1つのぐい呑みで、段ボールの中のものから選んだぐい呑みです。 こちらは、少し大きめのぐい呑みで、径:6.5cm、高さ:5.5cmほどのもので、白釉流れが微妙な作品です。 窯元を訪れた記念に、写真もご一緒していただき、どうもありがとうございました! 大井可笑さんは、お子様の大井正則さんが、ご自慢の息子さんのようで、私が、「これから、息子さんの窯もお邪魔するつもりです。」と話すと、「今日は、展示会をやっているので、窯にはおらんでしょう。」、「ぜひ、見てやって欲しいので、展示会へお連れしましょう。」とのことでした。 と、話がまとまったところでしたが、ご家族の方が、どこかに出かけられていて、あいにく足がなく、展示会の会場に行くことができずになってしまい、恐縮されていました。 展示会に、行くことは出来ませんでしたが、大井可笑さんとの、和やかな時間を共にすることが出来て、大変、ありがたかったなぁ〜〜〜〜と感じています。 また、展示室の隣に、「玉祖のぼり窯跡」があり、2000年の初めまでは、登り窯を使っていたそうですが、今は、電気炉にしていて、跡地には、ご自宅を増築されたようでした。 今回は、残念ながら、大井正則さんの窯と作品を見ることができませんでしたが、また機会があれば、息子さんの大井正則さんの窯へも、訪れてみたいなと思っています。 (記 : 2012年4月27日) 追記 : 上記の大井可笑さんの息子さんの大井正則作、萩焼、玉祖窯のぐい呑みを、手に入れることが出来ました。 大井正則さんは、山口県防府市佐野で、作陶をされていますので、この作品を、佐野焼としてもいいと思うのですが、本人が、萩焼作家と言っておられますので、萩焼としておきます。 三彩風の絵付けぐい呑みで、大きさは、径6.5cm 高5.2cmで、共箱、共布、栞付きです。 大井正則さんは、萩焼の伝統の上に、独自の作風を追求されている作家さんで、東京芸大大学院卒業で、奥様も、東京芸大卒という経歴で、お二人で、山口県防府市佐野の山里で作陶をされています。 前回、お父さんの可笑さんの窯元へお邪魔した際には、展示会をやられているということで、窯元には、おられないとお聞きして、お邪魔しませんでしたが、こんな品があって、独創的な絵付けがされている作品を、手に入れることが出来て、ラッキーでした。 これも、ご縁だと思って、大切にしたいと思っています。 ★ 作家 プロフィール ★ 大井 正則 (おおい まさのり) 1953年 山口県防府市佐野 玉祖窯元に生まれる 1973年 東京藝術大学美術学部工芸科入学 田村耕一、藤本能道、浅野陽、各先生に師事 1978年 日本伝統工芸展初出品初入選 1979年 東京藝術大学大学院陶芸専攻修了 1985年 西部工芸展 「朝日新聞西部厚生文化事業団賞」 日本工芸会正会員となる 現在 日本工芸会正会員 (追記 : 2012年8月20日)
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