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樹種
熱帯産のジンチョウゲ科アキラリア属の常緑喬木の幹から採取される香木。インドからインドシナに分布するジンコウ(Aquilaria
agallcha),ミャンマーからボルネオにかけて広く分布するマラッカジンコウ(A.malaccensis),タイのシャムジンコウ(A.crassana),中国南部のシナジンコウ(A.sinensis)など,多くの種類があるが,ベトナム産のAquilaria
agallcha が最も評価が高い。
この樹木を沈香樹と呼んでいる。沈香の名は,上質の樹脂分の多いものは水に沈むことに由来する。また,沈水木(ジンスイボク)又は沈水とも呼ばれる。
貿易名で
Eagle Wood の名がインド,ビルマなどで使用されているが,樹脂化したものは Agar wood
と言っている。
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生成のきっかけ
この樹木に傷,その他の原因で,ある種の刺激が加えられると,その部分に樹脂分が沈積して,沈香になると言われる。本来の材は黄白色ないし淡黄褐色であるが,病理的に樹脂分が沈積した部分は暗褐色あるいは黒色となる。このことに関して,バクテリア(真菌)が作用してできるとの説明がある。真菌といえば,確か,水虫の薬にも「抗真菌剤」とあり,水虫菌の親戚か?
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採取
生木から採取する場合と、枯れたあるいは土埋木から採取する場合がある。土埋木の場合は,抗菌性の含油樹脂のため腐朽菌に侵されないで残った部分であり,余分な部分が消失しているために品質がよい。一般には脂分を多く含む暗褐色から黒色で光沢に富み,比重の高いものほど名品とされる。
なお,この樹木を栽培して,幹に人工的に傷をつけ,土中に埋めて沈香をとることも行っているという。
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利用
沈香はそのままでは香気は弱いが,熱するか燃やすと強い芳香を放つ。古来薫香(くんこう)として賞用。沈香は,ベンジルアセトン,高級アルコール,テルペンなどからなる樹脂を約50%含み,燃やすと特有の芳香を発することから,仏教をはじめとする宗教儀式に用いられ,また日本の香道の主役とされる。薬用としては喘息,嘔吐,腹痛,腰やひざの冷えなどに用い。鎮静や疲労回復の効があるとされる。【百科】
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