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鈴木盛久工房作・南部鉄器の水差し

寛永2年(1625年)創業、鈴木盛久工房・十五代鈴木盛久作の南部鉄器の水差し(瑞雲)です。











大きさは、径:6.5cm、高さ:2.5cmで、紙箱、栞付きです。書道で、硯で墨を摺る際に、硯に水を注ぐもので、水注タイプ といわれているものです。

盛岡出身の友人に買ってきていただきました。作られたのは、友人宅の近所の工房で、「おばちゃんがやっている小さな工房」とのことでした。

丁度、硯や墨を集めているところでしたので、素敵な水差しが手に入って、喜んでいます。

鈴木盛久工房は、旧南部藩御用鋳物師で、創業は、1625年で、現在、15代目を、14代の長女の熊谷志衣子 さんが継承されています。

おじいちゃんの13代鈴木盛久(繁吉)は、名工として有名で、文化庁より、無形文化財の指定を受けています。しかし、その名工も1976年、81歳で亡くなり、東京芸術大学の教授だったお父さんの14代盛久(貫爾)が継承するも、5年ほどで、他界されたため、ぽっかりと継承者が浮いてしいました。

鋳物業は、男の仕事だと思っていたし、お父さんからも「やりなさい」といわれなかったそうで、まさか、自分が継ぐようになるとは・・・・と思っていたそうですが、最後は、「これだけ長い歴史をもつ家の重みはお金で買えない。ここで途絶えてしまうのはもったいない」との思いで、引き受けたそうです。

それから、20年が経っていますが、女性の感性を入れた作品つくりをされており、「鉄器は、飾るものではなく、使ってもらえるもの」として、使いやすいものを目指して、デザインされているそうです。



お店は、「主善堂」といい、岩手県盛岡市南大通り(旧生姜町)にあります。工房もすぐ近くにあるそうです。さすがに、鉄瓶となるとお高いので、自分に買えるのは、水差しが限界だったと友人は話していました。(笑)

尚、南部鉄器に関する歴史や特徴は、「南部釜師川村作・富士形地紋鉄瓶」にまとめてありますので、ご参照ください。

★ 作家プロフィール ★

 十五代 鈴木盛久 (すずき もりひさ)       本名:熊谷志衣子

1946年  14代鈴木盛久(貫爾)の長女として生まれる。

1967年  武蔵野美術短大卒業後、信田洋氏に師事。

1987年  鈴木盛久工房で鋳金をはじめる。

1993年  15代鈴木盛久を継ぐ。

入選多数  日本工芸会正会員

                                                (記 : 2013年8月27日)

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