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火起こしと炭十能

火起こし(ひおこし)と、炭十能(すみじゅうのう)のセットです。









火起こしの大きさが、径:14cm、高さ:8cm程度、台付き炭十能の大きさが、幅:15cm、長さ:39cm、高さ:17cm程度で、火起こしが、鋳鉄製、炭十能が、銅製です。

炭十能は、少し、把手が甘くなっていましたので、叩いて修正しておきました。

少し古いものですが、茶道具の1つとして、また、癇銅壺(かんどうこ)を使用する際の火起こしに使おうと思って、購入しました。(「お酒の文化と癇銅壺」参照)

特に、癇銅壺は、よく使うのですが、オガ炭は、火付きが悪くて、苦労していましたので、少しは、火付きが早くなるかな?と思って、期待しています。

★ 火起こしとは ★

火起こし(ひおこし、火熾し、火おこしとも表記)とは、炭に着火する道具 です、炭は、燃料であり可燃物ですが、着火性は、さほど高くなく、炭へ確実、かつ迅速に着火するために用いられます。

火起こし自体は、炭を保持する容器に過ぎず、炭への着火に際して炎が上がる熱源に乗せて(あるいは被せて)使用します。

現代の日本の火起こしは、片手鍋に似た形状で、底に炎を通す穴が開いており、ガスコンロなどに乗せて使用します。

着火後の炭を茶室へ運び入れる炭十能 とあわせ、広義の茶道具に含まれます。

早速、癇銅壺で網火焼をしようと、オガ炭火起こしを使って、着火してみました。これまでは、金網に乗せて着火していましたが、かなり早く着火できるようになりました。

 使用例

火起しの使い方は、 適量の木炭を入れて、ガス火にかけるだけです。

大きな備長炭などは着火しにくいのですが、小さなものや細いものを混ぜると、早く着火するようです。底の鋳物が真っ赤に加熱し、その部分から木炭に火が移り、木炭の種類にもよりますが、10分〜20分ほどで着火します。

火起しの塗装には、耐熱性がないため、1度使うと加熱で剥がれてしまい、すぐにサビが出るようになり、私の火起こしのような、サビサビ状態 になりますが、性能的な問題はなく、大切に使うと、数年間、数百回の使用に耐えるようです。

★ 炭十能とは ★

炭十能(すみじゅうのう)は、火のついた炭を運ぶために柄杓の形をした道具であり、形状は鍋に近いものです。

鋳鉄製、銅製、アルミニウム製、真鍮製などがあり、通常は、火起こしとペアで使うことが多く、火起こしで火を起こした炭を、風炉や火鉢などに運ぶ際に使います。

 台十能

また、茶道などで用いるものなど家屋内で使用するものは、熾った炭を入れたまま畳に置けるように、木製の台座が付いており、その為、台十能(だいじゅうのう)、台付十能、台重能、台付炭十能、台十とも呼ばれます。

火の起きた炭を茶席に運ぶ際は、台十能へ移してから運ぶのが正式のようですが、最近の台十能は、薄手の素材で作られているため、炭を移して運ぶのは厳禁で、上の写真のように、火起こしの中に炭を入れたままで、運ぶようになっています。

十能(じゅうのう)とは、小型のスコップあるいは柄杓(ひしゃく)のような形をした、炭や灰を運ぶための道具で、「10の能力(使い道)がある」から、十能と称されるようになったという説があります。

 十能

炭十能も、炭を運ぶための道具ですので、ちょっと形状は違いますが、同じように、十能と呼ばれたようです。

近年は、風炉でも、電熱器を組み込んだものもあって、炭を使う機会が少なくなっています。かくいう私も、お茶や煎茶の時には、IHヒーターを利用した置き炉を使っています。

 IH置き炉

しかし、癇銅壺を使って、一杯やる時には、どうしても、炭が必要・・・・・



オガ炭への炭火起こしに苦労していましたので、この火起こしと台十能のセットを使って、より気軽に癇酒と炙った摘みを楽しみたいと思っています。
                                               (記 : 2014年12月3日)

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