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金沢漆器のぐい呑み(能作)

金沢漆器の老舗、能作(のさく)作の雲錦蒔絵ぐい呑み2個セットです。







金沢漆器





ぐい呑みの大きさは、径:6cm、高さ:5.5cmで、共桐箱、共布、栞付きです。

漆器のぐい呑みは、珍しく、あまり見かけませんので、ぐい呑みコレクションに加えようと思い、購入しました。

見込みは、朱漆(しゅうるし)で塗られて、ポイントとなるよう、1つには、桜の花びらの絵が、もう1つには、紅葉の絵が、蒔絵で描かれています。このように、満開の桜と紅葉とを配した色絵模様を、雲錦(うんきん)模様といって、犬山焼で多く見られる模様です。琳派の画風を写したもので、通常、1つの絵皿などに両方が配させれることが多いのですが、このぐい呑みは、1つずつに桜と紅葉を描いて、「雲錦」にしています。

 犬山焼の雲錦手飾り皿

胴は、「木地溜(きじだめ)」という技法で、塗られています。「木地溜」は、木地に漆を染み込ませて固めた後、下地などで木の肌を隠してしまわず、木地の上にすぐ透き漆(すきうるし)を塗る方法で、表面から木目を楽しめるのが木地溜一番の特徴です。

透き漆は、透明といっても、茶褐色の透明ですので、木地の木目が見えますが、少し、茶色かかっています。

このぐい呑みは、恐らく、宴遊盃(えんゆうはい)がモデルではないか?と思います。サイコロを振り、出た目の花びらが描かれている盃で、お酒を飲むゲームに使うものですが、宴遊盃は、当然、サイコロの目と同じ、6枚で1セットで、桜の花弁が、1枚〜6枚になっているものです。

私のぐい呑みの1つには、桜の花一輪に、2枚の花弁が描かれています。もう1つには、紅葉の葉が描かれていますが、春と秋、季節によって、使い分けて欲しいということなんでしょうね。

能作(のさく)は、安永9年(1780年)にうるし業を創業、漆工業の材料、漆の精製、漆器の製造・販売の老舗で、初代能登屋作太郎より、7代、230年に渡って、伝統を継承しているお店です。

現在は、加賀百万石の伝統工芸の粋 加賀 蒔絵・金沢漆器を中心に、石川県の特産 輪島塗山中塗を、厳しい能作の検品師の目を通したものだけを取り扱っているようです。

 能作
                金沢市役所のすぐ隣にあります。

沢漆器(かなざわしっき)とは、石川県金沢市で生産される漆器で、寛永年間(1624年〜1644年)加賀藩三代藩主・前田利常の美術工芸振興策により、 京都の名工・五十嵐道甫、江戸より清水九兵衛を指導者として招いたのがはじまりとされています。

金沢漆器は、大名好みの清楚な品位の高さと加賀蒔絵の華麗さで知られ、室内調度品や茶道具などの一品制作が特徴です。なかでも「加賀蒔絵(かがまきえ)」と称される装飾技法は、華やかな美を創造し、金沢漆器を代表する技法です。

現在では、蒔絵師が大半をしめており、木地師の養成が課題になっているようです。

正月には使われる屠蘇器ですが、最近は、正月以外に、漆器の銚子に漆器の酒器が出てくる場面がなくなってきています。



最近、この京漆器の老舗、「漆器のアソベ」製造の、木製、黒塗 内朱塗『銚子』を買いましたので、この銚子と、金沢漆器のぐい呑みを使って、もっと気軽に、おいしい吟醸酒を、いただきたいと思っています。(「漆器のアソベ製作・漆器銚子」参照)
                                                (記 : 2013年3月19日)

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