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根来塗?の椿皿

根来塗(ねごろぬり)と思われる椿皿5枚セットです。











大きさは、径:12.4cm、高さ:3.8cmで、木製で、5枚セットです。

この椿皿には、「上」の銘印が入っていますので、京根来(きょうねごろ)か、紀州漆器(黒江塗)(紀州漆器には、「大」の銘印が多い。)ではないか?と思われ、茶道具として、大切に使われていたものではないか?と思っています。

先日、手に入れた輪島塗の一休盆、ぐい呑み、塗箸、京漆器の銚子、ベトナム漆器の箸置きを組み合わせて、漆器で統一して、粋に、吟醸酒を一杯したいと思い、購入しました。(笑)

 

根来塗(ねごろぬり)は、漆器の塗り方の1つですが、その起源は、正応元年(1288年)に、高野山から大伝法院と密厳院が移されたことにより、根来寺(ねごろじ)は、真義真言宗総本山として隆盛を極め、室町時代末期には僧5900名がいたといわれています。この僧たちが日常的に使うための什器として漆器が用いられ、大規模な工房が存在したようです。ここで、作られた漆器を、後に、根来寺にちなんで、根来塗というようになったようです。

しかし、天正13(1585)年、歴史に名高い豊臣秀吉の根来攻めで、一山灰燼に帰し、工人たちは散り散りになり、和歌山県の海南黒江を始め、輪島や薩摩に行き着いて、根来塗の技法を伝えたといわれますが、そのいずれも廃絶したようです。

しかし、明治11年(1878)に発刊された、黒川真頼の『工芸志料』の中に、「而して後京師の漆工根来塗を模擬す。是を京根来という。工人業を伝えて今に至る。」とあり、根来塗は、明治初期までは、京漆器で、継承されていたと思われます。

この椿皿は、明らかな塗り立てですが、京漆器のような洗練さがなくて、野性っぽい感じがします。しかし、それが、本流の根来塗を継承した京漆器であるとすると、これもまたありなのかな?とも思います。

根来塗は、使えば使うほど、色調も変化し、朱漆が磨耗して、景色を作るようになるようですので、普段使いにして、その変化を楽しみたいと思っています。

 盛り付け例



根来塗(ねごろぬり)は、日本の塗装技法の一種であり、一般に、黒漆による下塗りに、朱漆塗りを施す漆器のことで、名称は和歌山県の根来寺に由来します。主に、朱塗りのものですが、黒根来といって、黒漆のみのものもあります。また、文様は付けず、朱、又は、黒の塗立て(塗放し)のみです。

根来塗の器胎は、主に檜で、その上に、本地、または、本堅地をして、黒漆を数回塗り重ね、最後に、朱漆を、1回だけ、塗立て(塗放し)したものです。

根来塗の歴史は古く、正応元年(1288年)に遡ります。お寺で、僧が日常的に使う為、きれいに塗るというより、使いやすさ、丈夫さに主眼をおき、黒漆で何回も塗り重ね、最後に一回 朱漆を塗り、仕上がりとしました。

年月を経ると、朱漆が、「摩滅」することにより、黒漆の斑紋があらわれ、それが、茶人や当時の人たちに受けて、評判になり、このような塗り方の漆器を、根来塗というようになりました。

現在は、中塗りに黒漆を、その上に朱漆を塗り乾燥後、表面を研ぎ出し、所々に黒の研ぎ出し模様をつけた漆器を総称しており、紀州漆器、越前塗、京漆器などで作られているようです。

右の商品のように、本来は、朱漆が磨耗して出来る文様を、部分的に研ぎ出して表し、朱色の部分も呂色仕上げして、つるつるにしたものがあるようですが、これらは、本来の根来塗とは、違っているのですが、すでに、根来塗として一般的になっているようです。

また、近年は、「布目根来(ぬのめねごろ)」といった、地紋が布状のものも登場しています。

 布目根来

★ 椿皿(つばきざら)とは? ★

椿皿(つばきざら)は、低い高台を持つ漆器の皿のことで、一般的には、横から見たら椿の花の形に似ていることから、茶人が椿皿と名づけたという説ですが、一方で、根来寺で、まんなかにたくわんを置いて椿に見立てたから椿皿という説もあるようです。
                                                (記 : 2013年6月8日)

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