旅するところ、焼き物・骨董あり!                                                                       <<<焼き物・骨董情報サイト>>>

トップへ  当サイトでは、筆者が、世界中を旅したところで集めた焼き物・骨董品を、
エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

高岡漆器の彫刻塗波長紋丸盆

稲垣三郎(号:立山)作・高岡漆器彫刻塗(ちょうこくぬり)花鳥紋丸盆です。







大きさは、径:36cm、高さ:2.5cmほどで、作者の経歴栞付きです。

高岡漆器独特の技法の1つの彫刻塗という技法で、白木蓮でしょうか?その花の木にとまっている、を描いたもので、中々の作品だと思います。

 白木蓮

作者の稲垣三郎さんについて、ネットで調べたのですが、ヒットせず、詳細はわかりませんが、昭和11年に、「間方正夫氏に師事し、彫刻技術を学ぶ」とありますから、大正生まれの方と思われますので、すでにお亡くなりになっているのかもしれませんね。

また、「高岡市伝統工芸産業技術保持者指定」とありますので、富山県高岡市で活動されていたようですので、ここでは、高岡漆器の作家さんとさせていただいています。

現代では、手に入りにくい力作ですので、琉球漆器、宮崎漆器と一緒に、和室に飾りたいと思っています。

★ 高岡漆器とは ★

高岡漆器(たかおかしっき)は、富山県高岡市で生産されている漆器で、江戸時代初期の慶長年間に、高岡城の築城を機に、武具や箪笥、膳などを作らせたことが、はじまりとされています。

明和年間(1770年頃)に、中国風の漆器を手本とした、唐草模様の盆や重箱などがつくられ、高岡漆器に新しい分野が開かれました。

幕末から明治にかけては、風景や人物、模様などを錆絵で描き、これに青貝とろう石をまじえた「勇介塗」が生みだされました。

また、江戸中期に創案された「彫刻塗」は、鎌倉時代の格調をもつ技法として独自の味わいをもっています。

これらの技法をもとに盆類、茶道具、室内調度品など多岐にわたる製品づくりが行われ、昭和50年には国の「伝統工芸品」の指定を受けています。

高岡漆器は、特色のある3つの技法 の、彫刻塗勇助塗青貝塗が有名です。

彫刻塗(ちょうこくぬり)は、江戸時代中期の名工、辻屋丹甫(つじやたんぽ)を元祖としているとされ、木地にまず彫刻をして紋様を描き、文様に合わせて、色漆を塗り重ねる技法で、彫刻の立体感が特徴の技法です。輪郭部分を彫り込むので、「存清(ぞんせい)」の技法に似ています。

雷紋や亀甲の地紋の上に、草花鳥獣、牡丹、青海波などを繊細に彫ったものが多く、多彩な色漆で塗り上げます。

勇助塗(ゆうすけぬり)は、江戸時代の名工、初代石井勇助が生み出した技法で、唐物(からもの)として珍重されていた明(当時の中国)の漆器を研究し、中国風の意匠に花鳥・山水などの絵柄を描き、要所に青貝・玉石をあしらう繊細優美な技法です。

 勇助塗

青貝塗は、貝殻の加工をモザイクのように組み合わせ、山水花鳥を表現したもので、一種の螺鈿技法で、貝独特の輝きと漆の色艶とが美しい調和をみせています。

 青貝塗

富山県高岡市は、高岡銅器でも、有名です。高岡銅器については、「古銅の水滴2点」をご参照ください。

 
                                             (記 : 2015年1月26日)

Copyright (C) ともさんの焼き物・骨董紀行  All Rights Reserved 
















inserted by FC2 system