旅するところ、焼き物・骨董あり!                                                                       <<<焼き物・骨董情報サイト>>>

トップへ  当サイトでは、筆者が、世界中を旅したところで集めた焼き物・骨董品を、
エピソードと共に、その起源や、特徴を、ご紹介しています。意外な場所に、
意外な、お宝があるものです。画像と共に、うんちくも、お楽しみください。 

桜井漆器のスプーン

桜井漆器(さくらいしっき)の花塗りスプーンです。









大きさは、長さ:22cm、幅:4.5cmほどの、朱漆の花塗り で、仕上げられたスプーンで、紙共箱、栞付きで,、島安漆器 の製作です。

カレーライスをいただくのに良さそうな大きさですので、和食であれば、雑炊やお鍋、懐石料理の湯斗(ゆとう)をいただく時に、良さそうです。

花塗りとは、上塗りした漆を磨くことなく、塗り放しで仕上げる方法で、塗りむらなどが出ないようにするには、高度な技術が必要です。また、塗った漆を磨かないので、艶消し仕上げとなって、やさしい感覚があります。

最近は、現代の生活様式に合わせて、お椀や重箱のような和物だけでなく、コーヒーカップや、ワイングラスなども作られており、このようなスプーンも、金属のものでは出せない、やさしさのある口触りがあって、心地よいものです。

★ 桜井漆器とは ★

桜井漆器(さくらいしっき)は、愛媛県今治市桜井地区で作られている漆器です。

元々は、水軍の海運技術により、黒江(和歌山県)の特産品だった漆器を仕入れ、四国、中国、九州へと商いの幅を広げ、さらに九州の帰りの便では、唐津の焼き物を買い付け、それを紀州へ売りさばいていました。「春は唐津、秋は漆器」と、瀬戸内海を行き来し、その中間地点である桜井が起点となっていました。

その後、紀州・黒江から漆器の製造技術を導入して漆器の製造も始まり、1828年には、月原門左ェ門他、7件が製造していたという記録が残っています。最初は、春慶塗の技法で行っていて、庶民が使う安価な漆器として人気を得ました。その際、月賦販売(現在の分割払い)による販売方法を生み出して、売上を伸ばし、桜井地域は繁栄しました。

江戸末期の天保年間になってからは、月原久四郎氏により、重箱の最も破損しやすい四隅の接着部分に櫛の歯のような凹凸を造り、噛み合わせて接合する方法(櫛指法)が考案されたことによって、全国的に名を知られるようになりました。(接着材の発達により、櫛指法は現在では使われなくなっています。)

 櫛指法

その後、輪島や黒江から熟練工も訪れ、沈金や蒔絵の技法も伝わりました。

現在は、愛媛県指定伝統工芸品に指定されていて、数件の漆器店が、軒を連ねて、製造しています。



各漆器店の特徴は、「桜井漆器協同組合」のHPにありますので、ご参照ください。
                                               (記 : 2015年1月29日)

Copyright (C) ともさんの焼き物・骨董紀行  All Rights Reserved 
















inserted by FC2 system