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鎌倉彫(かまくらぼり)の銘々皿5枚セットです。 大きさは、11.5cmX11.5cm、高さ:1cmほどで、5枚セットになっています。裏に、「イシモリ」と作者の銘が入っていますが、出品者によると、戦前からあるものだそうですので、作者の特定は難しいようです。 文様は、葉の形から、菊だと思われますが、それを覆うものが、雲なんでしょうか?1枚、1枚少し違ったデザインになっています。 多分、茶道での茶菓子を受けるのに使われていたのでは?と思います。戦前のものにしては、大切に扱われていたようで、状態はいいですね。 鎌倉彫の特徴である後藤彫りの作品で、典型的な鎌倉彫ですが、銘々皿として、気軽に使いたいと思っています。 ★ 鎌倉彫とは ★ 鎌倉彫(かまくらぼり)は、神奈川県鎌倉市で生産されている彫刻漆器の一つで、経済産業大臣指定伝統的工芸品に認定されています。 起源は、鎌倉時代に及び、13世紀半ばより、禅宗の移入に伴い、宋から伝えられた、堆朱(ついしゅ)や、堆黒、紅華緑葉(こうかりょくよう)などに影響を受けた仏師たちが、木彫彩漆(もくちょうさいしつ)の仏具を作りはじめたのが、鎌倉彫の始まりとされています。 木彫りをしたものに、黒漆を数回塗り、主に朱漆で彩色して仕上げたものですが、塗りと彫りに特徴があります。 まず、掘りは、「後藤彫(ごとうぼり)」が、多く使われ、下書きした模様の輪郭に沿って切込を入れ、模様の外側を削り落として、模様を浮かび上がらせ、模様以外のところには、刀痕(かたなあと)を付けます。付け方は自在で、この彫り跡を残すのが特徴になっています。 余白の部分に刀痕を付ける 塗りは、「乾口塗(ひくちぬり)」といって、上塗りの朱漆が乾く直前に、マモコの粉を蒔き付けるもので、乾燥後、磨き出すと、山の部分が、明るい朱色に、谷の部分が、古色となって、陰影がはっきりとします。 マコモを塗っているところ 用材は、かつては、欅(けやき)、紫檀、黒檀、桜、黒柿のような堅木が使われていましたが、最近は、北海道産の桂(かつら)が最良とされ、朴、栃なども使われています。 もう40数年前のことになりますが、高校の修学旅行で、鎌倉を訪れ、鎌倉彫の工房を回って、鎌倉彫の花入れを買った記憶があります。 実家に長く飾ってあったのですが、家を建て替えた時に、行方不明になっています。当時から、参道沿いの小さな工房がたくさんあったのを覚えています。 また、機会があったら、鎌倉彫の工房へ行って、見学させてもらいたいものだと思っています。 (記 : 2015年2月20日)
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