古錫製の小判型茶托(ちゃたく)5枚セットです。
大きさは、長さ:10.7cm、幅:7.4cm、高さ:2.3cmほどで、裏に印がありますが、読めません。
かなり使い込まれたとみえて、擦り傷や見込に汚れがありますが、茶托は、年代を経て、黒ずんでいるものが良いとされていますので、きれいに磨こうか?、ちょっと迷っています。(笑)
錫製の茶托は、唐物
と呼ばれている中国製と、大阪錫器などが作っている国産品があり、これはどちらか?、わかりませんが、私の見立てでは、唐物のような気がします。
錫製の茶托は、ヤフオクにもたくさん出品されているのですが、高いものは、10万円以上のものもあり、見分け方がよくわからりません。
私の場合、煎茶をいただくのに、普段使いにしたいと思っていましたので、相場観がないので、苦労しましたが、まずまずのお値段で入手することができました。
基本的に、茶托には、円形と楕円形がありますが、私の場合、煎茶用ということで、小判型にしました。
★ 茶托とは ★
茶托(ちゃたく)とは、湯茶の入れる茶碗の下に敷く受け皿のことで、流派によっては「托子」「茶台」「茶托子」「納敬(のうけい)」などと呼ばれることもあります。
小笠原流の茶托
明から伝来した煎茶法を起源とする日本の煎茶道では、元々茶托に当たる物はなかったと考えられていますが、江戸時代中期に、清から杯と杯台が輸入されるようなり、日本の煎茶法で、この杯を茶碗に転用する際に、杯台が茶托に転じたようです。
中国からの輸入品はほとんどが、錫製でしたが、その後、日本においては、伝統工芸の漆器の木製茶托が発達しました。茶托の材質は、錫の他に、金・銀・銅・木製・漆器・藤・竹・陶器・磁器・
ステンレス・鉄・ピューター・真鍮・アルミ・合成樹脂など、色々なものがありますが、日本の煎茶道では、錫製の茶托を最上としているようです。
錫製の茶托については、煎茶道では年代を経て黒ずんでいる物、また、楕円形より円形の方がいいとされているようですが、流派によっては、小判型を使うこともあります。
古物には、中国製が多く、「張星栄造」「肖天泰」「乾茂号造」などの銘が入っている物、国産では「泰造六造」の物は人気が高いようです。
こちらは、木彫刳貫(きぼりくりぬき)一文字盆(いちもんじぼん)です。
大きさは、長さ:39.0cm、幅:10.5cm、高さ:2.0cmほどで、天然木の刳貫盆で、塗装はされておらず、木地のままです。
上記で買った茶托の幅が、7.4cmですので、丁度、5つ煎茶碗が並ぶサイズです。
★ 一文字盆とは ★
一文字盆とは、煎茶を運ぶための細長いお盆で、小さな煎茶のお茶碗がちょうど五つ
並ぶサイズになっています。その長さは、1尺2寸(36cm)が基本となっており、およそ、女の人の腰の幅のサイズです。運ぶ際の持ちやすさと見栄えとを考慮して、身体との関係で導き出された寸法と考えられています。
一文字盆と煎茶碗
拭き漆(透明)を塗られたもの、黒漆や朱漆で仕上げられたもの、肥松と呼ばれる松の樹脂がコーティングの役割を果たして、飴色に光沢を放つもの等々あります。
肥松盆
形は、角が角になっているもの、丸になっているものなどがあります。
(記 : 2014年10月3日)
|